「キングオブコント2023」混戦必至!決勝の注目組 巧みな中堅組と粒ぞろいの初出場組の戦い
決勝で注目すべきは、何と言っても中堅芸人たちの安定感と巧みさだろう。その中でも、もっとも光っていたのがジグザグジギーだった。
2013年、2016年にキングオブコント決勝進出。3度目となる今回は、彼ららしい演技力と状況設定の面白さに加えて、経験値の高さからくるある種の“老獪さ”も見て取れた。とくに「市長の記者会見」のネタが審査員たちにどう評価されるのか――。これがハマるようなら、念願の優勝を果たす可能性も高い。
彼らと同じく、キングオブコントで知名度を上げたラブレターズにも注目だ。2011年、2014年、2016年に決勝進出。その後、新ネタライブに注力した時期を経て、ミュージカル公演への出演、シティボーイズとの共演、ダウ90000・蓮見翔の書き下ろしネタ3本を含む単独ライブを開催するなど、アグレッシブに活動してきた。
準決勝で披露した「結婚挨拶」のネタでは、そんな彼らの強度が垣間見える。ファイナリストの中でもっとも“スラップスティック”(どたばた喜劇)の色合いが強く、幅広い世代にヒットするであろうネタなのは間違いない。
2年連続で決勝進出を果たしたトリオ・や団が、その勢いのまま優勝する可能性もある。昨年見せたクレージーなキャラと展開はそのままに、今回も見応えある2本を引っ提げて決勝に残った。
個人的には、「演技指導」のネタに注目している。不確定要素が強いものの、成功すれば爆発的にウケるシーンがあるのだが、あの臨場感ある笑いを審査員たちはどう評価するのか。当日が非常に楽しみだ。
バラエティーに富んだ初の決勝進出5組
初めて決勝進出を果たしたゼンモンキー、ファイヤーサンダー、カゲヤマ、隣人、サルゴリラの5組もそれぞれに違った魅力がある。
芸人トリオ・ゼンモンキーは結成4年目、メンバー全員が20代という新星だ。背が高く長髪にヒゲが特徴のヤザキ、中肉中背でどんな役もこなすむらまつ、愛嬌のある小柄なメガネ男子・荻野将太朗の3人が、ストーリー性のあるネタで笑わせる。
若手とは思えないほどネタの完成度が高いトリオという点では、彼らと同じワタナベエンターテインメント所属の先輩・ハナコを想起させる。ハナコは2018年に初出場で優勝しているが、ゼンモンキーはその背中を追うことができるのか注目したい。
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