「キングオブコント2023」混戦必至!決勝の注目組 巧みな中堅組と粒ぞろいの初出場組の戦い

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そのほか、4年連続で決勝に進出したニッポンの社長は、ブラックかつ非日常的な彼ららしいネタで臨む。唯一の男女コンビ・蛙亭は、コミカルで軽快な中野周平と薄幸なイワクラという対比を生かしたネタで2021年以来2度目の返り咲きを果たした。

どちらも芸風が知られているだけに、そのハードルを越えられるかがカギになるだろう。

ネタ順の不安要素を感じない大会

賞レースはネタ順によっても勝敗を分ける。同じような趣向のコントが続けば、必然的に見る者は新鮮な目で観られなくなるからだ。しかし、今大会ではそうした不安要素をほとんど感じない。シンプルに本番のウケの量、毛色の違うネタを個々の審査員がどう評価するか、によって明暗が分かれることが想像される。

今年は経験豊富な中堅コント師の大会になるのか、それともフレッシュな初出場組が王者の座を射止めるのか。本番を心待ちにしている。

鈴木 旭 ライター/お笑い研究家

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Akira Suzuki

2001年から東京を拠点にエモーショナル・ハードコア/ポストロックバンドのギターとして3年半活動。脱退後、制作会社で放送作家、個人で芸人コンビとの合同コント制作、トークライブのサポート、ネットラジオの構成・編集などの経験を経てライターに転向。現在、『withnews』『文春オンライン』『現代ビジネス』『FRIDAYデジタル』といったウェブ媒体、『週刊プレイボーイ』(集英社)などの紙媒体で記事執筆中。著書に著名人6名のインタビュー、番組スタッフの声、独自の考察をまとめた『志村けん論』(朝日新聞出版)がある。

 

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