ソニーの今期は震災による部品不足が足かせ、テレビ改善も厳しく会社計画営業益は未達懸念

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 もう1つのリスクが、ゲーム事業だ。個人情報漏洩問題を受けて、今期は140億円の費用計上を織り込んでいる。この中には、セキュリティ強化やカスタマーサポート、さらには情報流出の補償として行うフリーソフトダウンロードの費用などが含まれている。今期は「プレイステーション2」「プレイステーションポータブル」といったハードウェアの販売減も見込まれるため、ゲーム事業は大幅減益となる見通しだ。今後、米国などで訴訟が広がれば、さらなる支出も懸念される。

以上を踏まえると、会社計画の達成は容易でない。「東洋経済オンライン」では以下の数字に見直すこととする。最終利益は前期の繰延税金資産取り崩し3600億円がなくなり黒字復帰するが、その水準は1000億円を下回り力強さがない。4期ぶりの最終黒字復帰を果たしても、ソニー復活への道はなお遠い。

(前田 佳子 撮影:大塚一仁 =東洋経済オンライン)


《東洋経済・最新業績予想》
(百万円)    売 上  営業利益 経常利益  当期利益
◎本2011.03  7,181,273 199,821 205,013 -259,585
◎本2012.03予 7,350,000 180,000 160,000 70,000
◎本2013.03予 7,700,000 220,000 200,000 100,000
◎中2010.09  3,394,201 135,667 141,620 56,883
◎中2011.09予 3,100,000 27,000 17,000 7,000
-----------------------------------------------------------
         1株益¥ 1株配¥
◎本2011.03  -258.7 25 
◎本2012.03予 69.7 25 
◎本2013.03予 99.6 25 
◎中2010.09  56.7 12.5 
◎中2011.09予 7.0 12.5 
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