―アメリカでのIRA(インフレ抑制法)などさまざまな要因があるうえで、グローバルのBEV市場の変化をどう捉えているか?
藤貫:今は過渡期であり、正直どこに(国や地域の政策や市場変化が)着地するのかまったく読めない。だからこそ、(経済活動を進めるうえで企業としての)戦う武器を揃えていかなくてはいけないと思っている。「選択と集中」といっても、選択肢が必要だ。
―選択肢とは具体的にどういうことか?
藤貫:大きく2つある。ひとつは、「bZ4X」と「ソルテラ」で始まったトヨタとのアライアンス。もう1つが、スバル単独でBEV開発できる技術を身につけておくことだ。
スバルの独自性を生かすために、トヨタとは商品(トヨタで言う製品)や技術をダブって開発せず、両社が補完できるような技術領域を探る。そこにスバルの強みを生かす。
―BEV開発におけるスバルの強みとは具体的に何か?
藤貫:社内に優秀なソフトウェアエンジニアがいることだ。例えば、アイサイトは自社開発しており、半導体についてはアメリカのオンセミコンダクター等と直接、会話する体制をとっている。
アイサイトのアプリケーションを開発する優秀なエンジニアもいるし、エンジン等のECU関連でも卓越したソフトウェアエンジニアがいる。
(彼らの一部を組織再編するなどして)BEVの運動制御に係わるコントローラーなどで、スバル自前の開発領域を拡充させることも考えられる。スバルの企業規模でならば、スタートアップのような形態(の社内組織)も可能なはずだ。
―ソフトウェアで優位性を発揮するとしても、そもそもBEVはICEより構成部品が少なく差別化しづらい。「スバルらしいBEV」は可能か?
藤貫:走行性能としては、十分できる。
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