スバル「史上最大の分岐点」をどう乗り越える? 開発トップに聞いたBEVシフトへのアプローチ

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―スバルの「モノづくり革新」における「1つのスバル化」が、スーパー耐久を通じて実現できつつあるが、これまでの活動を振り返ってどう感じるか?

藤貫:当初の狙い通りに進んでいると思う。自分の担当部門だけではなく、皆が1台のクルマづくりに参加している。(近年のスバル量産車では)担当部署で、「その人だけが考えている」といった傾向がある。これは、(我々)マネージメント側がそう(した組織体系に)しているからかもしれない。

それが、スーパー耐久でのレース活動では、マネージメント側が指示するのでなく、関係者各人がそれぞれ自ら考えて(さらにチームワークよく)動いている。(こうした経緯を見ていて)スバルは(大きな変革に向けた)企業としての土壌と人財があることを、とても心強く思っている。

―最後に、スバルというブランドの今後の価格帯については、どんなイメージがあるかをお聞きしたい。

藤貫:BEVなど(これからスバルが新しい世代になっても)、スバルはアフォーダブルな価値を持ち続けるべきだと思う。価格以上の価値をお客様に認めてもらう、それがスバルだ。

そのためには、(特に)BEVでは原価を下げていく必要がある。商品力を上げて、原価を下げて、しかも開発期間を短くして投資も減らす。難しいことではあるが、(スバルの未来に向けて)皆で考えていく。

スバル取締役専務執行役員CTO(最高技術責任者)の藤貫哲郎氏。快く単独インタビューに対応してくれた(筆者撮影)

スバル取締役専務執行役員CTO(最高技術責任者)の藤貫哲郎氏。快く単独インタビューに対応してくれた(筆者撮影)

今後の「スバルのあるべき姿」とは何だろうか?

スバルは2023年10月2日、財務・非財務情報を一体的にまとめて「統合レポート2023」と「サスティナビリティWeb 2023」を公開した。

ステークホルダーに対して、スバルグループのビジネスモデル、成長戦略、そしてサステナブルな取り組みへの理解を深めることが主な目的だ。

スバル「総合レポート2023」より(出典:SUBARU)
スバル「統合レポート2023」より(出典:SUBARU)

同レポートを読みながら、これまでスバルと触れてきたさまざまな場面を思い出し、そして今回、藤貫CTOとざっくばらんな意見交換をした内容をまとめながら、今後のスバルのあるべき姿を考えた。

BEVシフトという、スバル史上最大の分岐点にさしかかった今だからこそ、さまざまな分野でスバルに関わる人たちは「メーカー/販売店/ユーザー」のつながりについて、改めて深く考えるべきだと思う。

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桃田 健史 ジャーナリスト

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ももた けんじ / Kenji Momota

桐蔭学園中学校・高等学校、東海大学工学部動力機械工学科卒業。
専門は世界自動車産業。その周辺分野として、エネルギー、IT、高齢化問題等をカバー。日米を拠点に各国で取材活動を続ける。一般誌、技術専門誌、各種自動車関連媒体等への執筆。インディカー、NASCAR等、レーシングドライバーとしての経歴を活かし、テレビのレース番組の解説担当。海外モーターショーなどテレビ解説。近年の取材対象は、先進国から新興国へのパラファイムシフト、EV等の車両電動化、そして情報通信のテレマティクス。

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