「パレスチナ紛争」を語る日本人に欠けている視点 パレスチナをこんなにしたのは誰なのか

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自治政府主流派が西岸に逃げ込むと、イスラエルがガザを完全に封鎖し、人の往来や物資の輸出入を原則的に禁止します。45平方キロメートルに200万人ほどいるガザは、「青空監獄」と呼ばれるようになりました。

伝統的に漁業や農業を営むガザ市民ですが、近海への漁が禁止され、ボートが出ていくとイスラエルの軍艦に攻撃されるようになりました。そしてイスラエルとの境界線に大きなフェンスが建てられ、1キロメートル以内に接近すると狙撃されることがあるため、近くの農地なども使用不可能になりました。

ガザは「後退」している状態

ただでさえガザは1948年にパレスチナの別の地から追放された難民が多い地域で、封鎖で経済が完全に破綻し、失業率は46%、人口の8割近くが国連の食糧支援を受給しているありさまです。

インフラを維持するための機械部品などの輸入をイスラエルが許さないため、爆撃された水の処理施設も発電所も次第に使えなくなり、安全な飲料水もなく、電気の供給も日によっては8時間ほどしかありません。

「発展(development)」でなく「後退(de-development)」の状態で、2012年に国連が発表した報告書では、「2020年にはガザは人間が住める状況でなくなる」という予測さえ発表されたほどです。

2005年以降ガザ内にはイスラエル兵は駐屯しておらず、イスラエルの植民地もありません。そういう意味では、いたる所にイスラエルの植民地があって、軍隊の検問所がある西岸と様子が異なるのですが、ガザの上空にはつねにイスラエルのドローンや監視気球が飛んで、ハマス関係者(および近くにいた一般市民)が空爆などによって殺害されることも少なくありません。200万人が生殺し状態に置かれているのが実情ですが、国際上ではガザは西岸同様イスラエルに軍事占領されているパレスチナの地とされています。

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