日本の対外資産の中身を見ると、債券や貸付などアップサイドがないものを中心に保有されていますが、諸外国が日本国内に保有している資産は、株式のようにアップサイドが期待できるものを中心に保有していることがわかります。
何ともったいないことでしょうか、と思うことさえあります。
諸外国から見れば、日本はほんのわずかな利息だけ払えば、たくさんのお金を貸してくれるだけでなく、「株価を上げろ」などというプレッシャーをいっさいかけてこない、お人好しの国だと思われているかもしれません。
言うまでもなく、対外資産に占める株式の比率が低いからです。
どことなく国際社会で日本のプレゼンスが低く感じられるのは、実はこんなところにも理由があるのかもしれません。
日本のリーダーはグランドデザインを国民に示せ!
前回の記事「松本大『日本代表チームに年功序列はありえない』」で述べたように、経営資源の最適配置によって日本の株価が大きく上昇したら、その次にするべきは世界最大の債権大国という立場を活かして、経済的に日本のプレゼンスを高めることです。
そのためには、対外資産に占める株式の比率を上げることも必要になってくるでしょう。
繰り返しになりますが、人口が減少するいまの日本が必要とするのは、「株価の上昇が国全体、そして国民であるわたしたち一人一人にとっていい結果をもたらす仕組みを構築する」というグランドデザインです。
これからの日本は国内外にある豊富な金融資産を有効活用しなければならないのです。
フランスの経済学者であるトマ・ピケティが著書『21世紀の資本』で指摘したように、r(資本収益率)はg(経済成長率)よりも高い成長率が期待できるという不等式に則って考えれば、2000兆円を超える日本の金融資産を活かさない手はありません。
首相をはじめ、日本の明るい未来を描くリーダーたちが、目先の対応に右往左往するのではなく、本書で提言するグランドデザインを国民に示すことで、特に株式市場に資金が流れ込む仕組みをつくり、株価の上昇がすべての国民にメリットをもたらすことができれば、日本はまだまだ捨てたものではないのです。
記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
印刷ページの表示はログインが必要です。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
無料会員登録はこちら
ログインはこちら