授業中に「立ち歩く子」大人が知っておきたい傾向 「徐々に慣れるはず」 がいいと限らない

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子どものこだわりについて、定着してしまったら困ることは、本当は最初からやらせないほうがいいのです。

これは、自閉スペクトラムの特性がある子のこだわり全般に言えることです。自閉スペクトラムの子の生活は、最初が肝心なのです。

最初に適切な行動パターンを身につければ、その後もパターンにそっておだやかに過ごすことができます。

しかし、最初に「みんなにとって好ましくない行動」を身につけてしまうと、その後、苦労することになりがちです。この「最初が肝心」という話は多くの子どもに言えることですが、自閉スペクトラムの特性がある子には特に当てはまります。

マンガのケースでは小学校に入ったお子さんが、初日に席につくことができませんでした。こういうとき、先生のなかには「徐々に慣れていくと思います」と言う人がいます。しかし、数カ月たってもお子さんは授業中に教室から飛び出したり、寝そべったりしているのでした。

そのような姿を見ると、大人は「問題行動」ととらえがちです。そして「苦手なことでも努力すれば少しずつできるようになる」などと言ったりします。

しかし、その方針ではうまくいかない場合が多いです。マンガのように何カ月間も授業に慣れることができず、無駄な時間を過ごしてしまうことがよくあります。

最初から子どもが参加しやすい環境を

このようなケースでは徐々に慣れさせるよりも、最初から子どもが参加しやすい環境を用意したほうがいいのです。学校側が事前に子どもの特徴を把握して、「こういう活動なら集中して取り組めそう」という見通しで授業を準備すると「問題行動」は減ります。

例えば特別支援学級では、子どもの好きな本を席に置いておくのもいいでしょう。

子どもが「この本、知ってる」と言って席に座り、そのまま読み始めたりもします。

次ページ試行錯誤を続ければ、その子に合った方法が見えてくる
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