そごう・西武売却のセブン&アイ、売上増のナゼ 決算書から見えた「大型買収」の威力とは?
驚異的な売上を叩き出す海外コンビニ事業の実態とは?
コンビニとしてなじみ深い同社ですが、それ以外にもスーパーストア、百貨店、金融など6つの事業を展開。決算書も、これらのセグメントに分けて分析していきます。
まずは損益計算書です。
当期の営業収益(全体の売上)は約11.8兆円で、2年前と比べ約2倍と驚異的な増え方をしています(1)。また、営業利益は2年前と比較し38.2%増の5065億円(2)、最終利益は2810億円で過去最高益を達成(3)し、絶好調にみえます。
一方、営業利益率は、2年前から2.1ポイント低下(4)。なぜ収益性が下がったのでしょうか。
事業別の売上の割合をみると、驚くことに75%を海外コンビニ事業が占めています。
同社は、21年5月に米3位のコンビニチェーン「スピードウェイ」を約2.3兆円で買収。米国でガソリンスタンド併設型店舗を4000近く増やしました。2年前に比べ全体の売上が激増したのは、買収により海外店舗数が急増し、海外コンビニ事業の売上が急拡大したためなのです。
一方で、収益性低下の謎に迫る鍵はFC店にあります。国内と海外のコンビニ事業の売上構成比をみてみましょう。
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