「いずれ結婚するつもり」という男性は、2002年に数字が上がったもののそこからまた下降、女性は2005年に上がったもののそこからまた下降している。
「皆婚」意識が崩壊し始めた
さらに、驚くべきは、「一生結婚するつもりがない」という人が急増していることだ。少し前までは、「結婚したいけれどできなかった」あるいは、「結果として、結婚しなかった」という人たちが多かった。ところが今や、「結婚したくないからしない」という人が増えてきているのだ。
また、入会面談に来た9割方の女性が言う。
「結婚しても、仕事は続けたいです」
「仕事を続けたいから、家事や育児を分担してくれる男性を希望します」
男女間の賃金格差はまだまだあるものの、優秀な女性は、自立して暮らしていけるだけの給料を稼げる時代になった。男性を追い抜いて、昇格する女性もいる。こうした女性たちは婚活をするときに、身の回りの世話を親に焼いてもらっている実家暮らしの男性を、敬遠する傾向にある。
「実家を出たことのない人は、結婚したら家事や育児を女性側に丸投げしてきそう。母親がわりにされるのは困ります」
そして、自立した女性ほど、理想の相手がいなければ、「無理に結婚することはない」と婚活市場を去っていく。
また、近年入会面談に来る男性は、一部の高年収男性を除き、結婚後も女性に仕事を続けてほしいと願っている人が多い。現在の日本では、共働きをしなければ、余裕のある暮らしはできないし、子どもへの教育費も十分にかけられないからだ。
そうした男性たちの多くが、自己PRのコメント欄に「家事育児は、サポートします」ではなく、「家事育児は、分担します」と記している。
結婚離れが進む一方で、男性が一家の経済的主軸を担い、女性が家事育児全般を受け持つという、一昔前のスタイルは崩壊しつつあるのだ。
しかし、結婚願望が低下していく数字が出ながらも、婚活アプリや結婚相談所などの出会えるサービスは、年々増えているのが現状だ。また、そうした場所に登録することへのハードルも、年々低くなっている。
これは、 “結婚は、自分にとって絶対ではないのだが、一度は向き合ってみる”という独身者が増えているからではないか。
結婚に一度は向き合おうと思った人たちが、どうしたら結婚できるか、その方法を提案していかないといけないのが筆者の仲人という仕事だ。しかし、自分が結婚したいと思える相手に確実に出会える方法があるわけではなく、運命の相手とはよく言ったもので、そこには運も関係している。
結婚できる人というのは、諦めずに出会い続けた人なのだが、結婚への執着が薄れてきている今の時代は、それもまた難しい……。
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