京急のフラッグシップ車両「2100形」が放つ異彩 日中は特別料金不要の2ドア・クロスシート車

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2100形がデビュー当初から担当するウィング号は乗客のニーズに応じて進化してきた。

下りは品川駅の3番線から発車する。長らく「京急ウィング号」の名称で帰宅時の着席需要を取り込む座席定員制列車のイメージが強かったが、2015年に平日朝の通勤時間帯の上り列車モーニング・ウィング号の運行を開始した。

京急2100 ウィング号の前面表示
前面の「ウィング号」の種別表示(記者撮影)

2017年に座席指定制に変更。2019年には土休日の日中時間帯に運行する一部の快特の2号車に指定席「ウィング・シート」を新設、三浦半島のレジャー需要に対応した。2021年にはモーニング・ウィング3号が金沢文庫で3ドアの「1000形1890番台」(4両編成)を連結し、品川駅まで12両編成で運転するようになった。

運転士も乗客も楽しい?

京急の運転士経験者、運転課の木村暁生さんは2100形について「クセが少ない高加速、高減速で運転する楽しさがあった。展望席にお子さんが乗っていると、『いいところを見せよう』と張り切った」と語る。ドレミファインバータに関しては「最初はびっくりしたが、お客さまの反応も面白かった。ファンも多かったので歌わなくなったときは寂しく感じた」という。

京急2100 運転席
京急2100形の運転席(記者撮影)

デビューから25年が過ぎた2100形は通勤とレジャーの両面で活躍中。京急のフラッグシップ車両としての存在感を示している。

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橋村 季真 東洋経済 記者

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はしむら きしん / Kishin Hashimura

三重県生まれ。大阪大学文学部卒。経済紙のデジタル部門の記者として、霞が関や永田町から政治・経済ニュースを速報。2018年8月から現職。現地取材にこだわり、全国の交通事業者の取り組みを紹介することに力を入れている。

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