酒寄希望、ぼる塾で一番面白い人になるのは辞めた 悩み抜いて見つけた自分らしい芸人道とは?

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私が2019年に育休に入ってまもなく、ぼる塾はテレビで見ない日はないくらいに大ブレークしました。

当時の私は目の前の育児でいっぱいいっぱいだったのと、想定をはるかに上回るスピードで3人が売れたこともあり、自分の復帰後のことはちゃんと考えられていませんでした。

でも3人がテレビで大活躍している姿を目にする度、「私、いらなくない……?」という不安だけが募っていったんです。

(写真:Woman type編集部)

実際、私のことを「いらないよね」という世間の声も少なくありませんでした。そんな中でも、「ぼる塾は4人じゃなきゃ」と応援してくれる方たちもいて。

みんなの期待に応えなきゃ。「3人のときより4人になった後のほうが面白いね」と思ってもらうべきだし、私がぼる塾に戻ったらこのグループをさらに面白くする最終兵器になるべきだ……。

そんなふうに自分で勝手に決めた、芸人とはこうあるべきであるという「あるべき論」で自分自身をどんどん縛りつけてしまっていたんですよね。

自分で自分を追い込んだまま、育休を終えた私はぼる塾として復帰することになりました。

「一番面白い人」になるのを辞めた

2022年11月。私は4年ぶりにバトル形式のお笑いライブの舞台に立ちました。

その前にぼる塾単体のライブに立ったことはありましたが、ほかの芸人も参加するライブは、復帰後初。

ぼる塾単体ライブのお客さまは、みんなぼる塾を応援してくれている人たちなので、復帰して頑張っている私のことを温かい目で見てくれていました。

でも、バトルライブのお客さまは、純粋にお笑いが好きな人たちなので、ネタを見る目もシビア。出順もトップバッターと、緊張はMAXでした。

そして始まった復帰戦。最初のボケがスベりました。すると頭の中は早くもパニック。声が震える。変な間が空く。思うように声が出ない。どうしよう、どうしよう。

私以外の3人のセリフはウケるのに、私のときだけ場が静まり返る。そんな状況に頭の中が真っ白のまま、4年ぶりの舞台は終了。

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