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うっかり「百億円の新規事業」を潰す大企業の論理 図を描いて経営を考えることで見えてくるもの

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  • 平井 孝志 筑波大学大学院ビジネスサイエンス系教授
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えっ? 100億円の黒字事業が中止?

思わず耳を疑いました。売上100億円規模の事業など、なかなか生み出せないはずなのに……。

経営学に詳しい人なら、次のような論点を指摘するかもしれません。

「莫大な資産を必要とする資産効率(ROI)の悪い事業なのではないか?」

「実はキャッシュフローが問題なのではないか?」

でもこのケースの場合は、そういった問題もありませんでした。では何が論点だったのか。

それは、規模感の問題でした。下の図を見ると一目瞭然です。既存事業に比べて圧倒的に小さく、新規事業自体の意味を問われたのです。

(著者作成)

でもこんな対比に意味があるでしょうか?

当然「新しい」ものは未来に咲く花であり、現時点ではそもそも小さいのが当たり前です。だから既存事業との比較自体がそもそもおかしな話です。

つまり根本の問題は、「今」という時点で事業を捉え、既に育った既存事業とこれから育つ新規事業を比べるところにあります。これはミカンとリンゴを比較するようなものです。

本来比較すべき2つのもの

この事例の本当の問題は、新規事業の規模が今小さいことではありません。新規事業が今後大きくなっていくという魅力的な絵姿を、経営の意思決定層に伝え、納得させられなかったことにあるのです。本来比較すべきは下の図のように、「今」の既存事業と、「未来」の新規事業のはずです。

(著者作成)
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