ジャニ会見、物議醸した「1社1問ルール」の魂胆 記者の追及をかわし、視聴者を味方につけた

✎ 1〜 ✎ 5 ✎ 6 ✎ 7 ✎ 8
著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

さらにジャニーズ事務所が巧みだったのが、時間と質問数の制約を「ルール」と称したことだ。

井ノ原氏の記者への制止に、ネットでは賞賛の声

「1社1問」を突破しようとする記者に対して、ジャニーズアイランドの井ノ原快彦社長がこうこたえたのだ。

「ルールを守っていく大人たちの姿をこの会見では見せていきたいって、僕は思ってますので、どうか落ち着いてお願いします」

井ノ原氏の記者への制止に対して、ネットでは賞賛の声が相次いだ。この「1社1問」を破ろうとした記者は、どの会見でも演説のような長時間の質問をすることで知られている。

もし記者が名探偵シャーロック・ホームズの如く、冷静沈着に追及を重ねている真っ只中に、登壇者が「ルールなので1社1問でお願いします」などと制止したら、どう受け止められるだろうか。確実に「逃げようとしている」と見なされるのではないか。

だが、毎度の如く、冷静さを欠いてしまう名物記者によって、自己防衛のための制約を「ルール」と称しても、何の違和感もなくなってしまった。

もし、この名物記者による、いつもの傍若無人な振る舞いを見越したうえで「ルール」と称したのだとしたら、ジャニーズ事務所はなかなかの策士ではないか。

記者会見での制約以外に、もうひとつ、守りの「舞台装置」があった。それが熟練の司会者だ。

前回の会見では、危機管理に強いという国際的なコンサルティング会社の社員が司会を務めた。だが不慣れなためか、曲者揃いの記者を抑えきれずにいた。

そこで今回、ジャニーズ事務所は大舞台に慣れているNHK出身のフリーアナウンサー・松本和也氏を起用した。『紅白歌合戦』の総合司会も務めた大ベテランだ。

次ページじつは会見の前から布石が打たれていた
関連記事
トピックボードAD
ビジネスの人気記事