消えた"能年玲奈"「あまちゃん」後の復活はあるか 圧力・忖度の問題はジャニーズだけに限らない

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より質が高く、より多くの人々を楽しませられるエンターテインメントを作っていくためには、芸能人がこれまでよりも自由に移籍でき、テレビ局が自由にキャスティングできるほうがいいでしょう。

しかし、のんさんのほかにも、実力と人気がありながら、突然テレビ出演がなくなり、「干された」と言われる芸能人は少なくありません。令和の今も昭和から続く芸能界特有の商慣習を踏襲しなければいけないのであれば、やはり時代錯誤な感は否めないのです。

30歳の誕生日につづった決意の言葉

前述したように、のんさんは今年7月13日の誕生日で30歳になりました。その当日、毎日新聞の全面広告で、のんへの改名時から使っていた「女優・創作あーちすと」という肩書を「俳優・アーティスト」に変更することを明かしたのです。

そこに添えられていたのは、「ちょっとハードルを下げて、自分の好きなように自由にやりたかったから、『創作あーちすと』と平仮名でおとぼけていた。そして“のん”になって、色んな人と色んな場所で色んなものを作って、私はどうやったって作りたい人なんだってことが分かった。根拠のない自信が確固たる自信に変わった。だから肩書き変えます。 のん」という言葉。

つらいときを経て30歳になった今、「胸を張って“俳優・アーティスト”と言える」という自信や覚悟が感じられますし、「もはやテレビへの未練はないのかもしれない」というニュアンスを感じさせられます。

改名後の彼女は、映画、舞台、音楽活動、声の仕事、創作、動画配信などのファン層に作り込むようなコンテンツへの出演が多く、テレビ番組のようなライト層も含めて広く世間の目にふれるものはそれほどありませんでした。また、2022年公開の映画「Ribbon」では脚本・監督も務め、しかも新人映画監督を対象にした「新藤兼人賞」の最終選考10人にノミネート。作り手としても評価を高めています。

誕生日につづった「私はどうやったって作りたい人なんだってことが分かった」という言葉の真意はどこにあるのか。「あまちゃん」という国民的ドラマの主演を務めた俳優だけに、作り手としてだけではなく、地上波の連ドラでその演技が見られることを願っている人々は多いでしょう。

7月に30歳の誕生日を迎え、9月で「あまちゃん」10周年の再放送が終わる節目の今こそ、その期待感が最も高まるときに見えるのです。もし地上波の連ドラに復帰するのであれば、本名であり俳優としての原点でもある「能年玲奈」という名前も返してあげてほしい。少なくとも「あまちゃん」のファンたちはそう願っているのではないでしょうか。

木村 隆志 コラムニスト、人間関係コンサルタント、テレビ解説者

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きむら たかし / Takashi Kimura

テレビ、ドラマ、タレントを専門テーマに、メディア出演やコラム執筆を重ねるほか、取材歴2000人超のタレント専門インタビュアーとしても活動。さらに、独自のコミュニケーション理論をベースにした人間関係コンサルタントとして、1万人超の対人相談に乗っている。著書に『トップ・インタビュアーの「聴き技」84』(TAC出版)など。

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