女の強さは「海図を求めない」ところにある 吉田正樹×太田彩子「女性の仕事観」<上>

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吉田正樹(よしだ・まさき)1959年生まれ。1983年フジテレビ入社。ディレクター、プロデューサーとして担当した番組は『夢で逢えたら』『笑う犬 の生活-YARANEVA!』『トリビアの泉』『爆笑レッドカーペット』など。2009年に退職し吉田正樹事務所を設立、およびワタナベエンターテインメ ント会長に就任。現在、KLab社外取締役、ギガ・メディア社外取締役、SBIホールディングス取締役を務める。

吉田でも、14回の授業をトータルで受講したら、ちゃんと答えが出るのです。連ドラと一緒。毎回フィーチャーされる役者さんが違っても、通して見るとストーリーになっていて、最終回にああそうだったのかと分かればいい。観客を先へ先へと引っ張っていかなきゃいけない、という僕の本能的な血が騒いだ結果、こういう構成になりました。

太田私もTwitterをやっていますが、たまに「ジェンダー大嫌い」って人が絡んできます。あんたのおかげで日本はバランスが崩れてるって。

吉田「大嫌い」と言っているのに絡むのは、テーマに興味があるからです。本当は好きなんですよ(笑)。本には収録しませんでしたが、放送作家の元祖爆笑王さんを迎えたときにはいちばん厳しい批判が飛び交いましたね。「もうテレビの話なんか聞きたくない」「いまさら周回遅れのことを言うな」と。

太田厳しいですね。それに対しどう思われました?

吉田その通りだなって(笑)。

「縦展開」する男、「横展開」する女

太田テレビ業界で働く女性って、どんな感じですか。

吉田まず、ドラマ制作の分野では女性プロデューサーがすごく活躍しています。脚本家もそう。創造力による仕事は特に。

太田男性と女性では強みが明確に違うのですか。

吉田たとえば生活情報番組。視聴者の大多数は、買い物とか、余暇の使い方とか、旅行なんかにすごく興味があるのに、男性プロデューサーはそれらに興味を持っていない、もしくは、知らない。洗剤の値段、野菜の値段にも興味がない。だからスルーしてしまうのです。男性のほうが情報に受動的で、女性のほうが情報にアクティブです。

太田女性ならではのライフイベントも、男性にはわからないですね。

吉田特に出産は、男が絶対に追体験できませんからね。それを絡めた家庭のあり方とか、女性が子どもをどう守るかみたいな、言ってみれば極めて文学的なところに、男は入れません。

それと、男性の興味って、とにかく狭い。「オタク」のイメージも「狭く、深く」でしょう。女性のほうが、横に広がっていく。対象の隣にあるものまで知りたいと思う。それがある種の女子力じゃないでしょうか。

太田ユーチューバーの吉田ちかさんと、書籍の巻末で特別対談されていますが、彼女がまさにそんな感じに思えました。

吉田キャリアを重ねることについて、男性は「階段を上がる」という意識だけど、女性は上がってるとか下がってるとかいう意識じゃない。言ってみれば「横展開」です。

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