カリナンのプラットフォームはフラッグシップセダンの「ファントム」がベースで、フロントにエンジンを縦置きし、後輪を駆動するFRパワートレインをベースに4WD化したものだ。FRベースということもあり、前輪の位置はエンジンの中心より前寄りとなっている。
ベンテイガは、アウディ「Q7」、ポルシェ「カイエン」などと共通のプラットフォームを持ち、アウディでおなじみの「縦置きエンジンの4WD」パワートレインを活用する。そのため前輪の位置は、エンジンの中心より後ろ寄りになる。
センチュリーは、アルファード/ヴェルファイアやレクサス「RX」などと同じGA-Kプラットフォームを使う。つまり、パワートレインは横置きで、後輪は専用モーターで駆動する4WDであり、前後輪を結ぶプロペラシャフトがない。
セダンのプラットフォームを活用しなかった理由については、グローバルカーとしての環境性能を重視するために、プラグインハイブリッド車(PHEV)としたことを理由として挙げていた。
そんな成り立ちから、センチュリーの前輪の位置はエンジンより後ろになる。なお、レクサスRXには、すでにPHEVの「RX450h+」をラインナップしており、英国産の2台ではベンテイガにPHEVがある。
継承する「センチュリーらしさ」
プラットフォームの成り立ちについてはベンテイガに近いが、ベントレーはEWBと呼ばれるロング版を除けばドライバーズカーという位置付けであり、曲面を多用したフォルムはよりダイナミックだ。
センチュリーの直線基調のフォルムはカリナンに近いが、ディテールにはセダンから継承したものも多い。ルーフラインのピークがリアシートの頭上あたりにあること、「几帳面」と呼ばれる凝ったキャラクターラインがキャビンからリアにかけてゆったり下がっていくことなどだ。
こうしたラインは、多くのSUVとは明らかに違う。リアドアがフロントより長めであることを含めて、ベンテイガはもちろんカリナンと比べても、ショーファーカーとしての位置付けを明確にしていることが伝わってくる。
それだけにキャビンへのアクセスについては、もう一歩踏み込んでほしかった。
新しいセンチュリーのタイヤサイズは225/55R20が標準で、225/55R18のセダンより明らかに大径だ。背の高いボディとのバランスを考えた結果と思われる。ちなみに、カリナンとベンテイガはさらに径が大きい。
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