多忙でも資格試験に合格する人が実はやってる事 移動時間に効率的にアウトプットをする方法

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そのなかで、司法書士試験は比較的高い正答率が求められます。最近は受験者が減少傾向にあり、難易度が落ちているような印象ですが、私が受験していた2013年前後までは、択一試験では9割近く正解しないと合格が難しい状況でした。実際、私が合格したときは、午前午後とも、35問中32問正解しました。これでも、合格者の中では上位ではなかったので、精度の高い知識が求められていたことがわかります。

一方、公認会計士試験のうち、二次試験にあたる論文式試験は、年度や科目によっても異なりますが、体感では、半分ほどの問題に正答できれば、合格者の平均とそう変わらないような印象です。詳細な採点基準は公表されないので正確なことはわかりませんが、少なくとも2~3割の問題に不正解であっても、合格は可能であるように思います。

やるべき勉強を取捨選択する

このように、資格試験とひと口にいっても、正答すべき問題の割合が異なります。そうすると、求められる知識の精度も変わるので、勉強方法にも影響します。高い正答率を求められる試験であれば、試験範囲のなかで捨てる論点をつくることは難しくなります。1問の失点が合否に大きく影響するからです。

逆に、それほど高い正答率を求められない試験であれば、出題可能性が低いと判断する特定の論点については、まったく勉強しない選択も考えられるでしょう。万が一、その分野から出題があっても、他の問題に時間をかけてカバーすることが可能だからです。

試験の傾向をつかみ、取捨選択を行ったうえで、移動時間のインプットを行いましょう。事前にこれを行うと、本番までに求められるレベルを把握することができます。そうすると、必要な知識の精度もわかりますし、捨てる論点があればほかの頻出論点に時間をかけることができます。

独学の社会人受験生には時間がありません。よほど頭のよい人でなければ、1回テキストを読んだり、問題を解いたりしただけで、論点を理解することはできません。

知識を自分の血肉にするためには、同じところを何度も何度も繰り返し読み、同じ問題を解いて、自分の言葉で説明できるようにすることが必要です。なぜそのようなルールになっているかの背景を考えながらテキストを読みこむと、理解が早まるでしょう。

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