ジャニーズ「社名変更」でも復活は相当厳しいワケ 「変わった」と思われるために何が必要なのか

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その信頼回復にかかる年月と労力は、社名変更にかかる費用よりも、大きなものになるのではないでしょうか。

「本気で変わる」ために効果的なもの

では、新たな社名になったあと、どんなことをしていけば信頼回復しやすいのでしょうか。

最もシンプルで即効性がありそうなのは、これまでとは真逆の方法を選ぶこと。

例えば、「歌やダンスなどで徹底した実力主義を掲げる」「他事務所のグループと積極的に共演して良好なライバル関係を築く」「新人発掘と育成方法を刷新してガラス張りにする」「マネジメント側が表に出て世間に発信する」など、これまで問題視されていたことと真逆のことをするだけで「大きく変わった」と印象付けられるでしょう。

一度その印象が最悪のレベルまで下がった分、上がりはじめたときの落差は大きく、「むしろ他事務所のタレントよりクリーンな印象を与えられる」という見方も可能。もちろん、かなりの労力と費用がかかるでしょうが、世間とメディアの注目を集められる分、「新たなファンを獲得するチャンスに恵まれやすい」ところもありそうです。

ジャニーズ事務所の事業が“アイドルありき”のビジネスモデルである以上、新経営陣が最も恐れているのは「大量の退所者が出ること」でしょう。ここに来て社名変更の話が持ち上がったのは、それを避けるために「新経営陣が『タレントを守ろうとしている』ことを本人たちに感じてもらいたい」という理由もあるのではないでしょうか。

ともあれ、タレントたちにとっては、「社名変更するであろう事務所に残るか」、それとも「他事務所に移籍するか」の選択は自由。特にグローバルな活動を考えているタレントは、海外から厳しい目が向けられる中、自ら適切な判断を下さなければいけないでしょう。

今や個人だけではなくグループ全員で他事務所に移籍しても文句は言われないような状況だけに、まずは10月2日に「所属タレント及び社員の将来」についてどんな発表があるのか。その内容によっては、誰にどんな事態が起きても不思議ではありません。

組織はそのままで社名だけ変えるのか。それとも新会社を設立してタレントを移籍させ、社長は外部から招き、株は創業家以外の人物が保有する形にするのか。さらに「グループごとに子会社を作る」という案も報じられています。当日までの間は、個人で考えるだけでなくグループ間でも意思確認をするなど、タレントたちにとっても重要な日々になるのでしょう。

木村 隆志 コラムニスト、人間関係コンサルタント、テレビ解説者

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きむら たかし / Takashi Kimura

テレビ、ドラマ、タレントを専門テーマに、メディア出演やコラム執筆を重ねるほか、取材歴2000人超のタレント専門インタビュアーとしても活動。さらに、独自のコミュニケーション理論をベースにした人間関係コンサルタントとして、1万人超の対人相談に乗っている。著書に『トップ・インタビュアーの「聴き技」84』(TAC出版)など。

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