「転職サイトCM」をテレビで多く見かける納得事情 求人情報関連の放送回数は過去最多を記録

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業界関係者の1人は「構造的な人手不足を背景に求人市場は活況を呈している。また学生と話すと職業観が変わってきている。ジョブローテーションで昇進するより、専門領域に特化した仕事で生きていきたいとの考えも多い。終身雇用の価値観は崩れていくと思うが、世代間での違いはまだ残っており、転換期だと感じている」。

また現在の大量の求人CMについて「1つの求人ニーズに、複数社が殺到する広告バブルっぽい感じもする」と指摘する関係者もいる。

現代の転職CMが問いかけるメッセージ

日本の労働市場はバブル崩壊後、終身雇用と比較的抑制した賃金、低失業率という社会的黙契の基で推移してきたと理解する。それが産業構造の変化、海外企業との競争、そして突然のインフレに揺さぶられている。不可逆的な構造変化が起きているととらえるべきだろう。

社会全体として生産性の向上が最重要課題になった。そして働き手こそ生産性向上の重要資源でもある。

転職を含めた雇用の流動化は、むろん個人として「勝ち組」となれるかどうか重要なインセンティブとも考える。だがその流動化は社会全体にプラスに働くかもしれない。

現代の転職CMが伝えたいメッセージには、根源的な問いかけがあるようにも思える。「あなたの仕事や職場、そして生き方はそれでいいのか?」。

関根 心太郎 CM総合研究所 代表

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せきね しんたろう / Shintaro Sekine

1973年生まれ。1999年株式会社東京企画/CM総合研究所に入社。システム開発・データベース構築の責任者を経て2014年より現職。消費者3000人を対象としたCM好感度調査を中心に、テレビCMの広告効果測定および研究分析を実施。このほか企業へのコンサルティングや情報提供を通して、広告活動の最適化に向けた課題解決のサポートを行っている。

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