新幹線のぞみ、全車指定席でも残る「不公平感」 ピーク期の「席取りゲーム」解消だが快適性は?

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混雑緩和、着席機会の保証、保安の観点、そして指定席予約の平易化、という点で今回の「のぞみ」の全車指定席化は賛成だが、気になるところもある。

JR東海とJR西日本の発表では、「自由席特急券を持っている乗客は、普通車のデッキ等に立席で利用する場合に限って『のぞみ』に乗車できる」「『のぞみ』以外の列車の自由席が混雑した場合にも、係員による乗車すべき号車の指定はあるものの、普通車デッキ等での立席利用を案内することがある」とされている。

指定席の「快適さ」はどうなる?

普通車の指定席券は普通車における着席の権利のみが与えられているということなら、自由席特急券の利用者を指定席車のデッキに誘導することは問題ないのかもしれないが、ホームで並ぶこと、多くの人が滞留してしまうこと、乗降に時間がかかるということを回避するのなら、全車指定席の列車には指定席分の客だけが集結するようにしないといけないのではないか。

指定席車は、着席をして快適に移動をする機会を得るということでもあり、デッキに自由席券を持った客を招くことで最繁忙期の高い料金を支払っている指定席客のトイレ利用や、乗降の際の妨げになるだけでなく、立ち客が喫煙ルームも事実上使えてしまう可能性すらあるのは不公平の極みではないだろうか。全車指定席化の画竜点睛を欠くようにも思う。

全車指定席の列車は、本来立ち客を想定しない列車のはずである。

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小島 好己 翠光法律事務所弁護士

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こじま よしき / Yoshiki Kojima

1971年生まれ。1994年早稲田大学法学部卒業。2000年東京弁護士会登録。幼少のころから現在まで鉄道と広島カープに熱狂する毎日を送る。現在、弁護士の本業の傍ら、一般社団法人交通環境整備ネットワーク監事のほか、弁護士、検事、裁判官等で構成する法曹レールファンクラブの企画担当車掌を務める。

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