「子猫の便に多数の回虫」増える犬猫購入トラブル 紹介サイトに潜む「悪徳ブリーダー」の見極め方

拡大
縮小

このような報道がなされると、「純血種を飼うならブリーダーから直接購入したほうがいい」という声が高まりますが、実はブリーダーからの犬猫購入に関しても、飼い主とのトラブルが起こっています。

独立行政法人国民生活センターの報道発表(サイトはこちら

独立行政法人国民生活センターの報道発表によると、ここ数年、「購入後に先天性の病気が判明した」「キャンセルを申し出たところ高額な違約金を請求された」「ブリーダーと連絡を取る手段がなくなり、血統書が受け取れない」「事務所は足の踏み場がない状況で、不衛生であり、購入した犬からも悪臭がした」といった相談が全国の消費生活センターなどに寄せられ、なかでもブリーダーから直接購入した際のトラブルの件数が増加しています。

消費者がブリーダーから購入する場合、ブリーダーのホームページやSNSを見て連絡するか、ブリーダー紹介サイトを利用して連絡するかのいずれかになります。近年では利便性が高いなどで、紹介サイトの利用者が増えています。

どちらもブリーダーと消費者間での直接契約となりますが、紹介サイトには「当事者間のトラブルには原則として介入しない」と利用規約に明記してあるケースが多く、トラブルが起きた際には消費者が自分で解決するしかありません。

悪徳ブリーダーが流れてきている

大阪府の犬のブリーダーNさんによると、2019年からの3年間でペットを販売する業者が1000件以上増えたといいます。他業種からの参入も多く、ペットショップやオークションに子犬や子猫を卸すよりも高く売れると、ブリーダー紹介サイトに掲載しています。

こうしたブリーダーのなかには知識もないうえに利益優先、という人たちも少なくありません。簡単に言えば、利益優先のブリーダーが大量に紹介サイトに流れているということです。

安いフードしか与えない、ケージから出さない、散歩にも行かない、飼育環境も劣悪、無理な繁殖をするなど問題は多いです。それらは紹介サイトの掲載内容からは見えないので、消費者がそういう悪徳ブリーダーに当たってしまう可能性があるわけです。それらを取り締まるために法改正したにもかかわらず、排除されていないという現状は、行政の無機能さも否めません。

福岡県に住むMさんは3年ほど前に紹介サイトを通じて、ブリーダーからメインクーンの子猫を購入したところ、迎えた直後の排便に多数の回虫が混じっていました。その件をブリーダーに伝えると「我が家には回虫などいません」と一方的に怒鳴られ、それ以降は連絡が取れなくなりました。

関連記事
トピックボードAD
ライフの人気記事
トレンドライブラリーAD
連載一覧
連載一覧はこちら
人気の動画
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT