「猫派の一条天皇」飼い犬に命じた"恐ろしい処罰" 中宮や清少納言も同情した「翁丸」の悲しい逸話
一条天皇は猫を寵愛、官位も授ける
清少納言が執筆した『枕草子』には、帝(一条天皇)が寵愛した猫の話が載っています。
面白いことに、この猫は、五位の官位までもらい「命婦のおもと(御許)」という名前まで付けられていたのです。命婦は従五位下以上の女官のこと。御許は高貴な女性の敬称です。
そこからこの猫は、女猫であったことがわかります。可愛らしい猫だったということもあり、帝のお気に入りだった「おもと」。おもとには、乳母までおり、この乳母は「馬の命婦」と呼ばれていました。
現代においては、犬などのペットに名前を付け、服を着せたり、病院に連れて行ったり、家族のように接する光景をよく見かけますが、平安時代もある意味、似たような状況だったのです。
さて、ある日のことです。猫のおもとは、縁側でぐっすり寝ていました。それを、おもとのお世話係である馬の命婦が「お行儀が悪い。部屋に入りなさい」と、中に入れようとします。


















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