さて、この漫画にあるように、東大生はあれこれ新しい問題集に手を付けません。どれも中途半端に終わって焦るのを避けるためなのか、ずっと同じものを繰り返し勉強していたという東大生は非常に多いです。
この勉強法のいちばんのメリットは、反復によって生まれる自信です。
同じものを繰り返していると、以前は解けなかった問題が、だんだんできるようになっていきます。そうすると自分の成長が実感できるため、自信が生まれてさらなる勉強のモチベーションが生まれるわけです。
受験には不安や焦りといった気持ちがつきものですが、このように何度も同じものを繰り返した結果、実力アップだけではなく、メンタルの安定にもつながっていくのです。
逆に、新しいものに手を付けるのは、十分に実力がついて次のレベルに挑む準備ができたと判断したときか、明確になった自分の弱点をつぶすピンポイントの対策本に取り組むときですね。
前者のケースであれば当然もう自信がついているでしょうし、後者であれば弱点という不安要素が消せるため、いずれにせよメンタルの安定につながっていきます。
中途半端な理解で新しい問題集に手を付けると…
もしこれが中途半端な状態で新しいものに手を付けると、「わかっているつもりが、実はわかっていなかった」という状態になりがちで、勉強しているのに結果がなかなかついてきません。そうしてやる気や自信を失い、成績が下がって、またやる気も自信もなくなるという負のスパイラルに陥ってしまうのです。
もちろん同じ問題集を繰り返している受験生はほかにもたくさんいるでしょうが、東大生は反復の数や精度が違います。「やり込むうちに図の位置や解説のページ数まで覚えてしまった」なんて話はザラですし、苦手な問題は手が勝手に動くレベルまで何度もやったという人も多いです。
私は東大受験を3度経験しましたが、本当にやり込んだんだろうなと思わされるくらい付箋や書き込みがビッシリあったり、ボロボロになるほど使い込まれた問題集や参考書を受験会場で毎年たくさん見てきました。
そのくらいやり込むので、問題集や参考書への思い入れがどんどん深まり、受験が終わりに近づく頃には自分の相棒や、戦友のように感じられるほどになります。そのため、東大生は問題集の話でお互いに盛り上がるわけです。
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