ただし、ここが重要なのですが、語学がいくらできたところで職につながるわけではないということは、今まで痛感されていることと思います。日本においても同様ですが、それなりに稼ぐ仕事を見つけるのは、コミュニケーションのツールとしての語学力だけでは厳しく、その語学を使って何をするか、何ができるかが求められます。
とりわけ英語圏において、英語は前提中の前提でしかありません。やはりプラスアルファが求められるのです。求められるというよりも、語学という土俵で現地の方たちと競争しても仕方がありませんので、Best Matchさんならではの価値をどこに打ち立てるかが大事です。
「日本人ならではの価値」で勝負せよ
そこで大事になってくるキーワードが、冒頭のアービトラージなのだと思います。つまり、日本人であるがゆえの知識や経験を、いかに現地に持っていけるか(またはその反対)ということです。言い換えると、現地の方やほかの国の方との直接の競争を避けて、「日本人ならではの価値」で勝負する、という意味です。
現地との差別化を図ることで価値を訴求し勝負するというのは、個人だけでなく法人(いわゆる外資系企業)にとっても、少なくとも最初の段階では王道です。日本の食やカルチャーに関連するものを現地で展開することに始まり、日本とオーストラリアの時差がないことを生かした現地コールセンターの運営も、現地にいる日本人ならではの業務です。後者は、日本語能力という現地人が有していない能力を活用している例です。
日本人であるがゆえの強みを見い出し、そこで勝負をすることが大切です。考えるべきは、日本とオーストラリアを比較した際に、どんな違いがあり、その中でどんなチャンスを見いだすか、という最初の一歩に尽きます。現地に精通しているのであれば、現地にニーズがあり、日本企業が解決可能なものを探してみてください。
オーストラリアでビジネスを行いたい日本人から見ると、現地にBest Matchさんがいることによる付加価値(いちばんわかりやすい例が現地にいないとわからない情報)が欲しいものです。現地から見ると日本人であるがゆえの付加価値が魅力的に映るものです。
その流れで考えると、米国公認会計士と書かれていますが、個人的には正直、あまりピンときませんでした。現地のCPA資格ならまだわかりますが、USCPAの現地におけるニーズがそもそもあるのでしょうか。そして、それを日本人であるBest Matchさんが保有することで、現地人や米国人が保有する以上の何かしらの付加価値が発生するのでしょうか。そういった視点からやるべきことを取捨選択するべきです。もちろん起業準備の過程で財務的な力を養いたいので、ということや、そもそも何をするにも数値系の力が弱いのでそれを補いたいのでということであれば、わからなくもありませんが。
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