フォーチュン500企業の8割超がChatGPTを採用 先行する海外企業の生成AIビジネス活用戦略
AIがドライブスルーで顧客の注文を受けるのは、一見すると簡単に聞こえるかもしれないが実際はそうではない。車内で音楽が流れていたり、後部座席の子どもが騒いだりしていると、途端に聞き取りが難しくなる。ノイズを取り除き、話者を特定し、さらには注文の途中で注文内容を変える顧客にも対処しなければならない。生成AIはこうしたことをこともなくこなし、さらには「Mサイズではなく、Lサイズはいかがですか?」「ご一緒にミルクシェイクはいかがですか?」といったアップセルやクロスセルまで可能だという。
ウェンディーズのフードオーダーのうち約80%がドライブスルー経由だ。注文プロセスを効率化できれば、より多くの顧客を捌けることにつながり、売上に及ぼす影響も大きい。
企業向け機能を次々にリリース
日本では情報流出への懸念から、今のところ社内利用がメインとなっているが、オープンAIもその点は十二分に理解しており、つぎつぎと対策を講じている。
2023年4月には、会話履歴の保存と言語モデルのトレーニングへの利用をオプトアウト(除外)できる機能を導入した。これによってユーザーとChatGPTとの会話内容はモデルのトレーニングや改善には使用されなくなる。また、2023年8月末に発表された企業向けの「ChatGPT Enterprise」では、ユーザーのデータはデフォルトでモデルのトレーニングに利用されないようになっている。つまり、ユーザーが自分でオフにする必要はなくなり、ユーザーのうっかりミスを防止できる。
オープンAIはユーザーからのフィードバックを非常に重視しており、フィードバックをもとにサービスを常に改善していくというスタンスをとっている。そのため、今後も企業ユーザーの懸念事項を払拭するようにさまざまなアップデートを行っていくことが予想される。
これに先んじて2023年3月にChatGPTのAPIが公開されたことで、社外向けサービスの提供もしやすくなった。このAPIは外部の開発者がChatGPTの言語モデルを利用するためのインターフェースであり、企業からすると、自社のアプリやサービスにChatGPTの機能を統合できるようになる。
ChatGPTはすでにFortune 500企業の80%以上で採用されているという。こうした流れの中で、日本企業の警戒もゆるみ、本格的な「利用期」に入るのはそう遠くないと思われる。
記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
印刷ページの表示はログインが必要です。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
無料会員登録はこちら
ログインはこちら