フォーチュン500企業の8割超がChatGPTを採用 先行する海外企業の生成AIビジネス活用戦略

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この検索ツールを使えば、「バーベキューパーティーには何がおすすめですか?」といった質問に、「すぐに焼けるようカット済みのコーンと〇〇〇です」と、写真を添えて提案してくれる。7万5000を超えるスーパーマーケットの位置データと商品データを持っているため、顧客が提案内容を気に入れば、そのまま注文し、近くのスーパーマーケットから指定した場所・時間に届けてくれる。

従来はバーベキューに必要な食材を調べるためにグーグルで検索し、それからインスタカートで注文することが一般的だった。しかし、ChatGPTを組み込んだことによってグーグルで検索するという最初のステップを省略し、インスタカートのアプリ内で検索から注文まで完結できるようになった。最初のステップがグーグル検索の場合、その後の買い物はインスタカートではない別のサービスになる可能性があるが、最初からインスタカートのアプリであれば流出してしまう確率は低くなる。顧客の囲い込みにもつながるはずだ。一方でグーグルにとっては痛手となるだろう。

ウェンディーズはドライブスルーに採用

日本でもおなじみのファストフードチェーンのウェンディーズは、グーグルの生成AIを活用したチャットボットを導入し、ドライブスルーの自動化を進めている。ドライブスルーを訪れた顧客が音声で注文した内容をチャットボットが理解できるようにすることで、注文プロセスを効率化し、ドライブスルーレーンの長蛇の列の解消を狙う。2023年6月にオハイオ州コロンバスの店舗から導入を始めた。

このシステムはグーグルの大規模言語モデルをベースとしてウェンディーズ用にカスタマイズされており、顧客がハンバーガーやフライドポテトなどを注文する際に使用する固有の用語やフレーズ、略語などを理解できるようにトレーニングされている。

たとえば、定番メニューの「フロスティ」は「ミルクシェイク」、「ジュニア・ベーコン・チーズバーガー」は「JBC」と注文されたりすることがある。これらをAIが理解できるようにするためには、素の言語モデルでは難しく、カスタマイズが必要だったという。

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