このときはショートボディの3ドアだけだったが、1990年のモデルチェンジでプラドの名を冠するとともに、ロングボディの5ドアが登場。次の世代ではプラットフォームが「ハイラックスサーフ」と共通になり、フロントサスペンションが独立懸架になった。
つまり、プラドの存在意義として、乗用車的なランクル(当時は80)、70との差別化があったのは間違いない。ゆえにこれまでは、モデルチェンジのたびに快適性や高級感を増していった。
しかし、21世紀になって数えきれないほど登場したSUVの多くは、似たような方向性となり、同じトヨタの「ハリアー」など、プラットフォームを乗用車と共用した車種が出てくると、プラドは「乗り心地やハンドリングがいまひとつ」という評価を受けるようになった。
一方で、2018年に現行型へとモデルチェンジしたジムニーは高い評価を受け、ラングラーやGクラスは根強い人気をキープし、ディフェンダーは従来の面影を濃厚に残しながらアップデートした。となれば、プラド改め250がこのような路線を選ぶのは、必然だったのではないかと思う。
原点回帰とは「70に近づくこと」なのか?
ただし、ランクルにとって難しいのは、原点にあたる70が今なお現役であり、250と同時に日本市場への復活がアナウンスされたことだ。つまり、70に近づければ近づくほど、本物との比較をする人が増えることになってしまう。
しかも、新型70はディーゼルターボエンジンとATの組み合わせとなることがアナウンスされているし、登録が1ナンバーから3ナンバーに変わるという噂もある。ガソリンV6+MTで限定販売された前回より、はるかにハードルが低くなりそうだ。
それでも250の資料には、ボディサイド下部の面の削ぎ方は70をモチーフにしていることが記されている。また個人的には、フラッグシップの300の祖先である、1980年代の「60」に近い部分がいくつかあるとも感じている。
具体的には、前期型が丸型、後期型が角形だったヘッドランプ、1枚もののリアウインドーと縦長のリアコンビランプの組み合わせなどだ。これらのディテールも、どことなくランクルらしいと感じさせる理由かもしれない。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら