話題の「超アウトドア大好き弁護士」の意外な正体 森詩絵里さん「"永遠なもの"はない。だから…」

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バイトとサークルと学生らしい楽しい日々を送り、同級生たちが就職活動に入る中、ここでもまたも「勉強したい」意欲が湧いてきた。

そして一念発起してロースクールへの進学を決意する。

「大企業への就職を目指す人が多い中、私はそうじゃなくて、自分で自由に時間の使い方を決められる生き方をしたいってことを一番大事に思ったんです。それが資格を持ってフリーランスになればできると思って……」

この価値観、生き方を体現できるのがロースクールで法律を学び、弁護士になるということだったわけだ。

現に、森は「ロースクールで法律を学ぶことはつらかった」と言ってはばからない。

こんな弁護士になるという具体的なイメージは当時なかったという(撮影: 梅谷秀司)

「正直、法律の勉強は楽しくなかったですね(笑)。ロースクールでも1年目は苦手な科目を再試験になったりしていて。スロースターターなんですよ」

「でも、自分はもう戻れないという覚悟で勉強してたので。ロースクール以降は親からの経済的援助もなく、授業料・生活費を全て貸与の奨学金で賄っていましたので、『これだけ借金したのだから、受かるしかない』という退路がない状況でした」

退路を断って挑んだ司法試験

「もう後には戻れない」。この覚悟こそ森を司法試験一発合格へと導いたものだった。

ロースクールでは、1日10時間以上の勉強に励んだ。そして司法試験に一発合格。早稲田でも合格率はわずか3~4割程度という狭き門を突破した。

生き方として選んだ弁護士だったので、「こんな弁護士になりたい」といった憧れや、「こんな人たちを救いたい」とか、そういった想いは司法試験に合格した段階では、まだもっていなかった。

あくまでも自立した生き方のために選んだ道だったのだ。

母子家庭に育ち、中学の頃には祖父が営む建設会社が倒産し、祖父母が苦しい状況に追い込まれるのも見てきた。

祖父の会社が倒産するのをみて、「永遠なものはない」と感じ、だからこそ「自分は自立しなければ」と、いつの頃からか思っていた。

母はインテリアコーディネーターをやっていました。愛情をうけて自分は育ったと思います。家に帰れば常に母がいてくれて、そんな自由な働き方がいいと思っていました。資格があれば自由に働けるって」

働く母をみて育ち、今、自分自身の自由を得た森は、その強い探求心を趣味にも向け日々の生活を充実させている。

*この記事の続き:「多趣味すぎる弁護士」が教える人生を楽しむコツ

松原 大輔 編集者・ライター

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まつばら・だいすけ / Daisuke Matsubara

富山県出身。編集者・ライター・YouTubeプロデューサー。中央大学法学部卒。在学中より故・永谷修氏に師事。大学卒業後、講談社生活文化局にて編集見習いとなる。その後、文藝春秋『Sports Graphic Number』編集部などで編集者・記者を経て、2018年に独立。書籍の企画、編集や執筆活動、YouTubeの動画制作・プロデュース、アーティストマネジメントなどを行っている。

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