不穏だったジャニーズ会見「6つの違和感」の正体 合計4時間超…透けて見えた「甘さ」と今後への不安

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その姿にネット上では賛否の声があがっていましたが、性被害で道を閉ざされた人たちが努力していないわけではないでしょうし、デビュー組はすべて努力の結果で被害を受けていないのも不自然です。さらに、ジャニーズ事務所には不本意な解散や分裂を余儀なくされたタレントも多いだけに、彼らのファンを中心に怒りを買ってしまいました。

なぜ東山さんより井ノ原さんが称えられたのか

4つ目の甘さは、東山社長の具体性と表現力に欠ける言葉

「年内をもって表舞台から引退します」「人生を賭けて、命を賭けて」「自分の運命だと思って引き受けました」などのフレーズはドラマや映画のセリフを思わせるカッコよさがあった反面、「演技に見えてしまう」「響かない」などの声も散見されました。

その理由は“解体的見直し”を掲げながら、「まずできることをしようと」「やってみないとわからない」「はじめてから見えることもある」「できればこの会見ですべてをそろえて見てもらえたらよかったのですが」などと具体的な言葉が出てこなかったからでしょう。

(写真:東洋経済オンライン編集部)

会見後の報道において、東山社長の言葉で最もフィーチャーされていたのが、「“法を超えて”救済・補償というものが必要だと思っています」というフレーズだったところに、具体的なことが言えない状態で会見に臨んだ甘さが表れていました。

社長就任は8月頭に打診を受けたあとに決断したそうですから、時間が足りなかったのかもしれませんが、会見に臨む準備が甘かった感は否めません。基本的に脚本のセリフを話す俳優は「フリートークの表現力に不安がある」と言われていますが、失礼ながら東山社長は「キャスターもしているが、自分の言葉で話す機会が少なかったのではないか」と思わせるほど単調な受け答えに見えたのです。

実際、「当事者の会」の志賀泰伸さんは、「そもそも東山氏はタレントであり、経営者ではないので、スキルを身につけるのは相当な年月がかかると思います。そんな甘いものではないと思っています」などと語っていました。経営の素人だからこそタレントとしての表現力でカバーしたかったものの、十分とは言えなかった点もあるのでしょう。

東山社長への物足りなさは、記者たちに向き合い、自分の言葉で話そうと努めた井ノ原さんを称える声がネット上にあふれていることが裏付けています。

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