玉木代表が再選も国民民主の「明るくない未来」 難題山積の連立入り、「第3自民」なら分裂必至

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その一方で、玉木代表の再選を受け、自民党内にも国民民主との連立論が再浮上した。両党はこれまでも燃油高騰対策など協議を重ねてきており、「国民民主の連立参加が岸田政権の基盤強化につながる」(自民幹部)との見方も。岸田首相は、9月中に党役員・内閣改造人事を断行する構えで、国民民主の連立取り込みが政権浮揚につながるとの思惑もにじむ。

ただ、玉木氏は現時点での連立入りには否定的だ。再選決定後の会見などで「今の時点で、わが党が連立を組める政党はない」「私が閣僚になることはない」などと明言。その一方で「あくまで政策実現を前に進めたい。選挙区調整が一定程度できることが連立を組むときの条件だ」と今後の自民との協議で、次期衆院選での自民との“住み分け”が可能となった段階での連立入りまでは否定しなかった。

「方向性注視」と言葉濁す芳野連合会長

国民民主にとって重要なのは、最大の支持団体である連合の対応だ。その連合の芳野友子会長は玉木代表再選を受けた3日、「国民民主の方向性については注視していく。(連立入りについては)報道ベースでしか知り得ていない。直接、玉木代表から何かお伺いしたということではない」と言葉を濁した。

自民党の麻生太郎副総裁は3日の地方講演で。今年の春闘での高水準の賃上げについて「経団連に連合と一緒に申し入れたのは岸田内閣だ」と述べるなど、ここにきて連合は自民党との連携も深めている。それだけに、芳野氏も国民民主の連立入りを完全否定はできない立場だからだ。

こうした状況について、小池晃・日本共産党書記局長は「国民民主は先の国会でも重要法案に次々賛成してきた。岸田自公政権の補完勢力だと言ってきたが、ますますそういう方向が強まっていくのではないか」と指摘し、自民による野党分断への警戒心を露わにした。

玉木、前原両氏の一騎打ちとなった代表選では、前原氏が玉木氏の与党接近について「野党分断を狙う与党に利用されている」と厳しく批判。日本維新の会や立憲民主党の一部との連携を前提に「自民と対峙(たいじ)し、政策本位で『非自民・非共産』の結集を進めて政権交代を目指す」と主張していた。

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