連日の大行列、百貨店の「英国展」大熱狂のなぜ いつの間にか増えている「スコーン」ファン

拡大
縮小

同社ではフランス展やイタリア展なども開催しており、売り上げは英国展が最も高く、それを少し下回るのがフランス展だ(ちなみに、かつて最も人気が高かったのはイタリア展である)。

スコーンの単価が200〜300円とフランス菓子に比べて低いことを考えれば、英国展の動員数が多い、あるいは、1人あたりの買い上げ点数が多いことは想像がつくだろう。

スコーンといえば、プレーン、サルタナレーズン入りなどが定番だが、近年はバリエーションも豊富になっている。スコーンで何かを挟んだ「スコーンサンド」や、「デコレーションスコーン(デコスコ)」の人気も高い。

「あんバター」サンドや「練り込み系」も人気

山崎氏によると、スコーンサンドで人気なのはあんバター入り。イチゴや栗など季節の果物のフレーバー、自家製クリームサンドもよく売れる。イギリスでは、スコーンにクロテッドクリームとジャムを塗るのが定番の食べ方だが、クロテッドクリームは日本でなじみがなく、売る店も限られている。そこで、各店がオリジナルクリームを作ったらそれも人気になったわけだ。

最近は多様な素材を使ったスコーンの人気も高い。写真はトムズスコーンジャパネスクのもの。もちきびとハトムギのプレーン、自家製クロテッドクリームと柿ジャムサンド(右)、宇治抹茶とよもぎ、チョコレート(左)、黒七味とパルメザン(中)(写真:三越提供)

「店によって違いますが、例えば、マスカルポーネチーズにヨーグルトを加える、爽やかなクリームを加えるといったものです」と山崎氏が解説する。英国展ではクロテッドクリームもイギリスの4ブランドを販売するが、スコーンと同様に売れる人気商品である。

スコーンの生地に混ぜ込む、あるいは練り込むフレーバーのバリエーションも増加し人気を集めている。「以前はどのブランド様も、プレーンとサルタナレーズンを混ぜ込んだものなど3種類ぐらいしか出していなかったのですが、最近は若い方にレーズンがそこまで売れない一方で、イチゴや金柑、イチジクなど季節のフルーツを使ったものやチョコレート系が人気です」と山崎氏。

関連記事
トピックボードAD
ビジネスの人気記事
トレンドライブラリーAD
連載一覧
連載一覧はこちら
人気の動画
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT