連日の大行列、百貨店の「英国展」大熱狂のなぜ いつの間にか増えている「スコーン」ファン

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英国展のスコーン出展者は、脱サラした個人事業主の小さな店が中心で、店主は毎年通うほどのイギリス好きが多い。イギリスの流儀に合わせる人が多いが、イギリスでも最近、バナナやイチジクなどのフレーバー入りスコーンが増えたことも、英国展で多彩なフレーバーを展開する店が多くなった要因の1つだ。

日本橋三越本店の英国展では、2016年からイギリスの五つ星ホテルなどのベイカーを招き、スコーンを実演販売している。そのプレゼンテーションも人気だ。しかし、出展者の9割は東京ほか日本の店。山崎氏が足で稼ぐほか、SNSでも月に一度人気ぶりをチェックし試食するなどして厳選する。

イギリスの五つ星ホテル「ザ レインズボロウ」のスコーンも登場。シェフのサルバトーレ・ムンジョビーノ氏も来日(写真:三越提供)

山崎氏によれば「ただイギリスのものであるというだけでなく、日本の食卓に合うもの、お客様が今求めているものをご紹介する」からだ。日本人出展者中心の開催は同時に、英国展に独特の親密感をもたらしてきた。

「会場で、『〇〇さん、お久しぶり』と挨拶し合う風景が、以前はよくありました。お茶やマナー、お菓子の教室の先生が小さなインフルエンサーとなり、生徒さんたちも集まるからです」と山崎氏。

出展者同士もオーブンの使い方を教え合うなど、一緒にイギリス文化を盛り上げていこうという仲間意識が強く、ライバル意識が前に出やすいフランス展、イタリア展と顕著な違いをもたらしてきた。

変わってきた英国展の「売れ筋」

スコーンブームで、従来のイギリスファンとは異なる層が増えたことは、売れ筋商品からもわかる。以前の英国展ではリーフティーが最もよく売れたが、今はカジュアルなリントンズのティーバッグが最もよく売れる。従来よく売れた王室をフィーチャーしたお菓子も、新しいファンたちにはそれほど人気が高くない。来場者たちはやはり、「イギリス好き」というより「スコーン好き」なのだ。

熱気に溢れた昨年の英国展の様子。各ブースに行列ができた(写真:三越提供)

日本における「スコーン好き」の裾野が広がっていることを示すのが、銀座三越で2022年3月に開催したスコーンに特化した「スコーンパーティ with TEA」という6日間のイベントだ。

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