連日の大行列、百貨店の「英国展」大熱狂のなぜ いつの間にか増えている「スコーン」ファン

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これには、「想像を絶するお客様が殺到し、急遽入場規制をしました」と山崎氏。このときは紅茶とスコーンのブランドが出展し、そのうち約6割を占めるスコーンのブランドは約25。企画時は単価の低いスコーンで元は取れるのか社内で議論になり、紅茶も販売アイテムに加えたが、結果的にスコーンは予想の2倍売れたという。

興味深いのは、山崎氏が「英国展とスコーンパーティは、客層がだいぶ違うんです」と言っていたこと。三越伊勢丹が発行するクレジットカードを所有する来場者の分析によると、英国展は40~50代の女性が中心だが、スコーンパーティは会場が銀座店だったこともあるのか、20~30代の女性が4分の1を占めた。

この違いは、売れ筋の違いにも表れる。最も売れるスコーンは常にオーソドックスなプレーンだが、「スコーンパーティでは、次にスコーンサンドやデコスコが売れます」と山崎氏。

スコーン、なぜそんなに人気なのか

スコーン人気の要因を、山崎氏は「イギリスのスイーツは、家庭料理の延長線上にあり、レシピが公開されていたりします。出展者様も、どこかで修業したというより、趣味が高じてプロになった方も多くいます。日本人はこうした心和むお菓子もかなり好きだな、と感じます」と推測する。イベント主催者としては、スコーンが手早く作れるので売れ行きが多ければ追加製造でき、製造過程が映える点も魅力だと山崎氏はいう。

こちらもイギリスの五つ星ホテル「ザ コノート」のアフタヌーンティーで提供されるスコーン(写真:三越提供)

また、ここ数年ブームが爆発するヌン活もスコーンファンを増やしただろう。日本人はアレンジが得意だが、スコーンサンドやデコスコといった、新しい食べ方も人気が高い。もちろん、これらのスコーンが映える点は大きい。

山崎氏によると、コロナ禍で各地のベイクショップがスコーンを売り始めたことも、流行に影響している。

『イギリスお菓子百科』(安田真理子)によると、スコーンが文献に登場するのは16世紀で、広がったのは19世紀後半。イギリスの食文化とスイーツについては、イギリスの国民的人気コンテスト番組で、NHKでも放送されている『ブリティッシュ・ベイクオフ』などでも紹介している。スコーンは、奥が深いイギリスのスイーツ文化を内包する。もしかすると今後、スコーンはイギリスのスイーツ人気も牽引し広げるかもしれない。

阿古 真理 作家・生活史研究家

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あこ まり / Mari Aco

1968年兵庫県生まれ。神戸女学院大学文学部卒業。女性の生き方や家族、食、暮らしをテーマに、ルポを執筆。著書に『『平成・令和 食ブーム総ざらい』(集英社インターナショナル)』『日本外食全史』(亜紀書房)『料理に対する「ねばならない」を捨てたら、うつの自分を受け入れられた』(幻冬舎)など。

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