乳がん「男性は患者の1%」でも知るべき3つの事情 親から子へ50%遺伝、男性もリスク12~80倍に

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もちろんBRCA遺伝子に限らず、その人の遺伝子変異の生じやすさや生活習慣、環境も影響するが、近親者に乳がん経験者がいる男性では、乳がんリスクは高いと考えておいたほうがいい。

女性であれば、HBOCの可能性がある場合は、遺伝カウンセリングのうえで遺伝子検査を受け、予防的切除を行うか否か検討する人もいる。

しかし、男性では、BRCA遺伝子に変異があっても乳がんになるリスクは女性ほど高くないため、どのように対策すべきか定まっていない。これがようやく3つめの「男性のほうが怖い」点だ。

先に触れたとおり、BRCA遺伝子の変異は胃がん、前立腺がん、膵がんのリスクでもあるとわかってきた。だが現状では、男性はBRCA遺伝子変異が推察されても、乳がんやそれらのがんのリスクにさらされ続けるしかない。親戚等に心当たりのある男性は、早期発見のために、胃がん、前立腺がん、膵がんについても定期的な検査を受けるべきだろう。

「医療被曝量」世界一の日本人

男性乳がんリスクに話を戻すと、④胸部への放射線治療は、血液がんの一種「ホジキン病」でとくに問題となる。

医療被曝が発がんリスクを上げることが知られているが、日本は人口当たりCT台数が世界一であり、医療被曝量は世界一だ(2004年THE LANCET)。医療者としては、必要性の低い検査をなるべく減らし、被曝させないように砕身している。

だが、どうしても必要な場合がある。代表例が、がん治療のための放射線治療だ。被曝線量が多く、2次発がんの原因となることが知られている。とくに「ホジキン病」は、若い男性患者が多く、胸部への放射線治療を併用するのが一般的だ。

実際、最近の研究では、ホジキン病の放射線治療により男性の乳がんリスクが23倍も高まることが報告されている。該当する人は、乳房の異常に注意を払っておくべきだ。

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