乳がん「男性は患者の1%」でも知るべき3つの事情 親から子へ50%遺伝、男性もリスク12~80倍に

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一般的には女性の病気とされている「乳がん」。男性が乳がんにかかったときのほうが怖い3つの理由を紹介します(写真:C-geo/PIXTA)

ブラザー・コーン氏が乳がんにかかった、という報道に驚いた方も多かったことだろう。乳がんは一般的には女性の病気だ。実際、女性のがんで一番多いのが乳がんで、女性は生涯で11%の人が乳がんを経験するとされる。対して男性の患者数は女性の150分の1、乳がん全体の1%程度とされる。

それでも国立がんセンターによれば、2019年には国内で1年間に670人の男性が乳がんと診断された。

実は、いざ「かかった」となると男性のほうが女性より怖いのも、乳がんだ。どんな病気なのか、また予防法や早期発見の方法とともに、女性より怖い3つの理由を男性向けに解説していこう。

見つかったときには進行していることが多い

乳がんは、乳房にある乳腺の細胞ががん化したものだ。乳がんのうち95%は、乳汁を乳頭まで運ぶ管である「乳管」に発生する。

男性には必要のないはずの乳腺やその一部としての乳管が男性にもあるのは、生き物としての発生プロセスによる偶然の産物のようだ。つまり、受精卵から一定段階までは男性も女性と同じように育ち、途中で男性臓器が発達して男性に性分化する。ここで乳腺組織はすでに分化しているため、男性にも乳腺組織が残り、結果、乳がんになる可能性が生じる、というわけだ。

乳がんの初期には、がん細胞は乳管の内壁のみにとどまっていて、乳房のほかの組織には広がっていない(非浸潤性乳管がん)。やがてがん細胞は乳管の外、乳房組織のほかの部分へと広がっていき(浸潤性乳管がん)、その後も筋肉や骨など隣接する組織に広がり続ける。

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