武政:河野さんは?
河野:部分的になら1年目からありましたが、本質的には最初の転勤のときですね。お客様に転勤のごあいさつをするときに「あなたと付き合えて本当によかった」と言われて、自分の成長を感じましたし、お客様に成長させていただいたんだなと思えました。
武政:河野さんの場合、お客さんは担当する営業に見込みがなければ会社にクレームを入れるなり、解約するなりできるでしょうからね。それがなかったということは、信頼されていたんでしょう。渡邉さんはどうでしょう?
三井物産 渡邉大志(以下、渡邉):三井物産の場合は、OJTで実務に携わりながら、先輩社員が指導してくれます。優秀な先輩の仕事のやり方やお客様との接し方を間近で見ると参考になりました。悩んだときに、先輩の仕事のやり方を振り返ってみて、やはり先輩もお客様のことを第一に考えていたので、早いうちからそれが正解だとわかりました。
武政:それは会社のDNAがよかったのか、その先輩がすばらしかったのかどちらですか。
渡邉:会社のDNAだと思いますね。
武政:人に教えられてそう簡単にできるものじゃないですよね。
渡邉:でも成果を出している先輩はみんな一貫してお客様目線でしたから。会社全体としてブレがなかったので、とてもやりやすかったです。
武政:ここにいる方でさえ、お客様目線が大切だと実感できるようになるまで時間がかかったわけですから、大切なことでも実践するのは難しいんでしょうね。
営業よ、自信を持て!
常見:今回、実は裏テーマがあって、もっと営業職が評価される、世間に認められるようにしたいと思ったんですね。学生や若い社会人を見ても、まだまだ営業のイメージは誤解されがちです。
武政:ドラマや漫画などで描かれている営業像は、どうもステレオタイプ的な物の見方ですもんね。
常見:私も営業になったばかりのころは昔の友人から「君みたいに人をだますような真似はできない」なんて言われましたからね。そう、大学の同期は、営業になった人が少なくて。営業はすばらしい仕事だと思いますが、もっと評価されていいと思いますし、営業自身が卑下しているところもあります。「僕は営業しかできないんですよ」とか「うちの会社の営業だから売れているんですよ」とか自虐的なところも悲しい。そこを今日みなさんとお話して、解消できたのはとても大きな収穫だと思います。
武政:常見さんは今、営業にどんなメッセージを送りたいですか。
常見:これはいろんな場所で言っているんですが、大事なことなので何度でも言います。これまでマーケティングや広報、人事、ライター、大学講師といろんな仕事を経験してきましたが、やっぱり私の原点は営業にあります。営業こそが企業を支えているんだ、日本を動かしているのはスーパーマンじゃなく営業マンなんだと今は自信を持って言えます。この記事を読んでいる営業の方にはぜひ自信を持って働いてほしいですね!
(撮影:尾形文繁)
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