「一流の営業」は地味な下積みをバカにしない 有力7社エースが明かす「顧客志向」の本質

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バンダイナムコエンターテインメント 白崎正洋さん

常見:御用聞きのようなパートナーも会社としてのひとつのあり方だと思いますが、やはりお客さんのニーズを聞く前に次は何が求められるのか予測しないといけないでしょう。それこそ以前、鈴木さんがおっしゃったように「空気が読める人」、それも市場の空気を読める営業が必要とされるでしょうね。

武政:みなさんのお話を聞くと、業界の壁がどこも崩れている印象を受けました。白崎さんの業界なんかは特に顕著ではないですか?

バンダイナムコエンターテインメント 白崎正洋(以下、白崎):そうですね。わかりやすい例ですが、電車の中での過ごし方が変わりました。僕が入社した頃は、携帯ゲーム機で遊んでいたのが、今ではみんなスマホに夢中ですからね。競合も取引先もだいぶ変わってきています。

常見:東洋経済新報社もそれに近い変化が?

武政:そうですね。私が入社した10年ぐらい前はまだ雑誌や書籍、紙の媒体が主体でしたが、今はネットメディアにも力を入れています。ニュースを扱っているサイトはすべてライバルになっています。新聞社、通信社、出版社、テレビ局、新興ネットメディアなど、すべてが競合でネットメディアにおいて業界の壁はありません。既存メディア同士の壁もどんどん下がっている気がしています。

富士ゼロックス 冨田敬勝さん

富士ゼロックス 冨田敬勝(以下、冨田):東洋経済オンラインの特色は?

武政:いくつかありますが、例を挙げれば記事のコモディティ化を避けているところですね。普通のニュースをただそのまま速報として流してもスピードや量で新聞社、通信社には勝てないですから。扱う情報を厳選して、他の媒体にはない切り口や深い解説などの付加価値を加え、時間が経っても陳腐化しないように努力しています。ライバル企業が増えたり、扱う商材に差がないように見えても、何かしら解決の糸口はあると思うんです。

常見:武政さん自身、元・営業だったわけだから今回はかなり参考になったのでは?

武政:落ちこぼれ営業マンだった私からみると、出席者のみなさんのレベルの高さに圧倒されるばかりです(笑)。

お客様目線は実践してみないとわからない

味の素 金子沙織さん

武政:私が営業だったときは、お客様の目線に立つ以前に、まずは自分の成績をどう上げるか、ノルマをこなすかが精一杯でした。お客さんに寄り添うことが最終的には自分の成長、会社の発展に繋がるところまで考えが及びませんでした。そういう感覚って、営業を何年間やって気づくものなのでしょうか。

小野:それが腹に落ちたというときのことですよね?

武政:自分の3年半の営業経験では、気づけなかったことなので、経験の長さが関係するのか知りたいのです。

味の素 金子沙織(以下、金子):気づいていたらそうなっていたところもありますが、私の場合は3~4年目ですね。私の提案を通じて、お客様の売り上げが上がったときには共に成長していける関係なんだと思いました。

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