「一流の営業」は地味な下積みをバカにしない 有力7社エースが明かす「顧客志向」の本質

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野村證券 河野純さん

常見:地味な仕事でもそこから学べることはたくさんありますよね。私、下積みこそ最強だと『サラリーマンの新しい掟 下積みは、あなたを裏切らない!』(マガジンハウス)という本を出したばかりですが、若い人が共感してくれるかどうかはともかく、私はこう信じています。

武政:河野さんは?

野村證券 河野純(以下、河野):私は今でも下積みだと思っています。この会の後に、名古屋に帰るのですが、お客様にお礼の手紙を書く予定です。

常見:CEO表彰まで受けた河野さんがそう言うと、また重みが違いますね。

河野:それはみんなやっていることですね。野村證券には手書きで手紙を書く文化がありますので。そのための研修もあります。

リクルートマーケティングパートナーズ 小野恵里香さん

常見:メールの時代に手書きの手紙が来たら、お客さんは感動するでしょうね。あの、ネットニュースの読者にはこういうことを非効率だとバカにする人もよくいるわけですが、本当に非効率なのかどうか。考えてみてほしいです。

リクルートマーケティングパートナーズ 小野恵里香(以下、小野):私は法人営業ですが、取引させていただいている会社の社長さんにお手紙をお送りすると、喜んでくださる方が多いですね。

鈴木:トップの方ほど、地道な作業を評価してくれますよね。

常見:メール1本なら誰だって書くことができるんだから、本当にお客さんを動かしたいなら手紙のひとつや2つは書くべきだと思います。野村證券がそういった下積み文化を大切にしているのはほかの会社も知っておくべきですね。

お客様の課題をどう見つけるか?

鈴木:私の今いる業界では、パソコンなどの製品の市場価格が下がっています。だから、今までと同じやり方を続けても売り上げは上がらないと思うんですね。そうなるとお客様の課題を見つけて、会社のリソースを使ってそれを解決することを目指すことがひとつの正解だと思います。ここからがみなさんにお聞きしたいことなんですが、お客様自身も自社の課題に気づいていない場合はありませんか?

常見:そこはお客さん自身も手探り状態な気がしますね。おっしゃるとおり、「困っていない」と口では言うお客さんに、「実は困っているでしょ?」と気づいてもらうのは営業の仕事だと思います。これは私のような物書きでもそうで、読者に「実はこんなことに困っていない?」という投げかけをするのは大事だと思っています。

鈴木:お客様の課題感をどう受け止めていけばいいのか、そこに今、悩んでいるんです。

河野:そもそもお客様にニーズがないこともありますから。

鈴木:そうなんです。それでも課題を私たちのほうから見つけなきゃいけないと思うんですね。乱暴な言い方かもしれませんけど、みなさんの会社は黙っていても売れてしまうんでしょうか?

武政:そんな会社はないと思います。今はどこも競争が激しいですし、あらゆるモノのコモディティ化も進んでいます。だから、お客さんのつねに先を見て、課題を見つけることが求められているのではないでしょうか。

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