近い未来「ゲームの作り方」が劇変する納得の理由 生成AIによってクリエイターの世界は様変わりする
このような背景を受けてか、オープンAIはAIが書いた文章かどうかを判別する「AI Text Classifier」というツールを公開しています。おそらく今後は、画像領域でも、同様の判定AIを発表してくると思いますし、同じく生成AIを開発している各社が、似たようなサービスを開発・提供する流れになるでしょう。
AIが作成した作品でもあっても、人が感動すればよい。それはれっきとしたアートである。このような考えから、AI賞という別のカテゴリーを設ければよいのではないか。そんな考えや動きもあります。
難しいのは報酬や著作権
議論を深掘りしていくと、そもそもアート、クリエイティビティーとは何なのか、という点に集約されます。「コンピューターの力を借りるなんてけしからん」といった感じで全面否定する人もいるようですが、私はそのような考えには否定的です。
人が描いた作品であれ、生成AIが描いた作品であれ、観た人が感動したのであれば、どちらも構わず一定の評価をすべきだと思うからです。
ただ、難しいのはその報酬でしょう。学習させた素材の著作権は、十分に公平に尊重されているかを考えなければなりません。ただ同時に、どこまで生成AIが人を感動させる作品を生み出すことができるのか。突き詰めるべきだとも思っています。日本がやらなくとも、ほかの国がやる可能性が高いからです。
そして両方のシーンが盛り上がったり、互いに切磋琢磨することで、結果としてアート業界全体が進化し、活気づいていく。
元データの著作に関しては、ルールをきちんと決める必要があるでしょう。実際Adobe Fireflyでは、著作権がクリアになった画像しか使っていません。アドビのアプローチは正しいと思いますし、今後、生成AIをエンタメで使っていく際の、1つの試金石とも言えるのではないでしょうか。
報道、文学、作曲の功績に対して授与する、ピューリッツァー賞を受賞した人物なども多く輩出している、テキサス大学オースティン校。同大学のカリム・ネイダー氏、ポール・トップラック氏らは、AIについての印象などを、アメリカ在住の1222人に対して調査(*3)しました。
質問項目は、AIの知識や未来、AIと心理的なつながりが持てるようになるか、などといった内容でした。結果は6割の人がAIについて理解しており、約半数がAIに関わる未来を楽観視している。そのような成果が得られたそうです。
Sudhakaran, S., González-Duque, M., Glanois, C., Freiberger, M.,
Najarro, E., & Risi, S. (2023). MarioGPT: Open-Ended Text2Level
Generation through Large Language Models. 1-10. DOI: https:// doi.org/10.48550/arXiv.2302.05981
Huang, S., Grady, P., & GPT-3. (2022). Generative AI: A Creative
New World. Sequoia Capital. https://www.sequoiacap.com/
article/generative-ai-a-creative-new-world/ (accessed 2023-06-
22).
Nader, K., Toprac, P., Scott, S., & Baker, S. (2022). Public
understanding of artificial intelligence through entertainment
media. AI & Society. Ann Arbor, MI: Inter-university Consortium
for Political and Social Research, 1-14. DOI: https://doi.org/
10.1007/s00146-022-01427-w
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