職場の「気になる彼女」を見事射止めた男性の作戦 残業後の深夜も、"対戦"しながら会話を重ね…

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「社会人になってから最初にできた彼女は3歳年上でした。そろそろ結婚を考えていたようですが、僕にはまだその気持ちはなくて……。1年弱で別れたと記憶しています。マッチングアプリなどは一般的ではなかった時代なので合コンなどをしていました。結婚への意識が少しずつ高まったものの、まだ自由に遊びたい気持ちと他の人の人生を抱えることに自信がなく、彼女ができても次に踏み出せなかったのが正直なところです」

真面目な修さんはインタビュー項目への回答を準備してくれたらしい。「仕事の実力はまだまだで、貯金もあまりなかった」という当時の状況と心境を時系列で丁寧に話してくれる。

「30歳前後で、周りが変わりました。今までチャラチャラ遊んでいた友だちが急に結婚すると言い出したり。飲み会も減ってしまったのでアプリで会った女性とお付き合いしたこともありますが、結婚の決め手がますますわからなくなっていました。年齢とともに理想が上がってしまい、『一緒にいて楽しいだけで結婚しちゃダメなんだろうな』と思い始め……。まさに混迷期です」

自信はないけれど理想は高い。いろいろ考えるけれど、リスクを負った行動には踏み切れない――。ちゃんと稼ぎながらも晩婚になりやすい高学歴男性の典型例である。

同僚として美里さんと出会う

新たな出会いを探すことすら面倒だと感じていた頃、あるプロジェクトの同僚として美里さんと知り合った。なお、美里さんは中小IT企業からの派遣という形で修さんの会社の案件に参加。修さんがプロジェクト内小チームのリーダーで、美里さんは開発担当者という役割だった。

「3カ月間ぐらいのプロジェクトでしたが、当初から『かわいいな。ハキハキした明るい人だな』とは感じていました。とはいえ、そのときの僕はすでに35歳。見た目と雰囲気ぐらいでは心が動く年齢ではありません。結婚に関してはあきらめかけていました」

そんな修さんをしびれさせる出来事があった。美里さんに作成を依頼した仕様書が想定とは「だいぶ違う」成果物となって上がってきたことだ。

「僕の指示はほぼ無視した内容でした(笑)。でも、意図はちゃんとくんでくれて、よりいいものになっていたのです。大いに感心しました」

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