「ジャガーのイメージ」一変させるE-PRIXの活躍 レース活動が牽引するBEVブランドへの転換劇

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圧倒的な速さを見せつければ、ジャガーの技術力のいい宣伝にもなり、次世代のBEVの前評判を盛り立てることもできる。それにサステナビリティ、地球環境保全の取り組みのアピールにもなる。

「フォーミュラEは“ネットゼロ・カーボン”(CO2排出量が正味ゼロ)を目指す」と、主催の国際自動車連盟(FIA)はうたい、「タイヤは1セットしか使わない」、マシンもドライバー1人に1台のみで「スペアカーの用意はしない」というレギュレーションを敷く。

ピットでマシンを間近に見ることもできた。タイヤはHANKOOKが採用される(筆者撮影)
ピットでマシンを間近に見ることもできた。タイヤはHANKOOKが採用される(筆者撮影)

シーズン9で新たに投入された第3世代のマシンは、発電機(バイオ燃料使用)で作られた電気の90%以上をエネルギーとして使えるという。高効率のICE(内燃機関)ですら40%台がやっとだから、エネルギー効率は大きく違う。

マシンは軽量かつ高剛性の炭素樹脂製だが、そのパーツにはリサイクル素材が使われている。航空産業や宇宙産業で使ったものを、特殊な技術でフォーミュラEマシン用に作り直すのだという。

ジャガーという名は今「未来」の2文字と重なる

イギリスでは今、BEVの販売が好調といい、それもフォーミュラE人気の下支えになっているとか。

このレースの開催が発表された2012年の時点では、「理念は立派だけれど、レースとしておもしろいんだろうか」と思ったものだが、思いは杞憂でマシン性能を含めたレギュレーション改定により、レースはどんどんおもしろくなっている。東京でも2024年3月30日の開催が公示されたから、楽しみだ。

ジャガー担当マネージングディレクターのラウドン・グローバー氏(写真:Jaguar Japan)
ジャガー担当マネージングディレクターのラウドン・グローバー氏(写真:Jaguar Japan)

ところで、「ジャガーのイメージってなんだと思いますか」とグローバー氏からたずねられたとき、「1980年代初頭の『XJサルーン』の乗り心地は雲みたいだった」とか、「グレース・ケリーも愛した『XK』は今も美しい」とか、そんなことがパパっと頭に浮かんだ。

でも、ここまで読んでくださった読者なら、それが過去のイメージだということにお気づきだろう。実際にはフォーミュラEやI-PACEで見られるとおり、ジャガーという名前は今、「未来」という文字と二重写しになっている。東京のレースに足を運べば、きっとよくわかるはず。

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小川 フミオ モータージャーナリスト

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おがわ ふみお / Fumio Ogawa

慶應義塾大学文学部卒。複数の自動車誌やグルメ誌の編集長を歴任。そのあとフリーランスとして、クルマ、グルメ、デザイン、ホテルなどライフスタイル全般を手がける。寄稿媒体は週刊誌や月刊誌などの雑誌と新聞社やライフスタイル誌のウェブサイト中心。

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