「ジャガーのイメージ」一変させるE-PRIXの活躍 レース活動が牽引するBEVブランドへの転換劇

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私が観たのは、第15戦。市街地で比較的コンパクトに開催でき、多くの人がアクセスしやすいようにというフォーミュラEの企画どおり、特設コースには一部、一般道も使用される。

びっくりしたのは、速度感だ。エンジン音や排気音がなく静かなため、なんとなくおだやかなレースだろうと考えていたが、エンジンより加速力にすぐれるモーターゆえ、速い速い。

ミッチ・エバンスの乗るジャガーTCSレーシングはラップ9から終始レースをリード(写真:Jaguar Japan)
ミッチ・エバンスの乗るジャガーTCSレーシングはラップ9から終始レースをリード(写真:Jaguar Japan)

1周およそ2.1kmのコースは、あえて屈曲を多くしたり、コース幅をそれほど大きくとらないなど、速度を抑える工夫がなされている。なにしろ理論上、マシンは時速350kmを超えるというのだ。

レース中の最速ラップタイムをみると、1周を1分12秒ほどで走ってしまう。十分に速度を落とすシケインなどがあっても、平均速度は時速100kmを超える。

第15戦では勝利を獲得

今回、私はレース前に同じコースをI-PACEでの同乗体験することができた。このクルマもトルクがたっぷりあって、路面に張り付くようにコーナリングする。ドライバーはかなり攻めた走りをしてくれたため、シケインやバリアなどがすぐ橫に迫って、ドキドキした。

レースでも、ドライバーたちの走りは想像以上にアグレッシブだった。タイトなコーナーでは、橫に並んだ相手のマシンをコース外に押しだしてしまう光景を何度も目撃。

混戦のレースをリードするジャガーTCSレーシング(写真:Jaguar Japan)
混戦のレースをリードするジャガーTCSレーシング(写真:Jaguar Japan)

途中、ライバルチームの2台にマシンを外に押し出された(そうなるとバリアに突っ込むことになる)が、押しだされたチームのマネジャーが相手のピットに文句を言いにいく場面すらあった。

ジャガーTCSレーシングは、このレースでみごとな走りっぷりを展開。特に第15戦では、ニュージーランド人のエースドライバー、ミッチ・エバンスは早々とトップをとるや、クルマ同士のアクシデントにもレース中断のレッドフラッグにも影響されず、首位を守りきった。

「フォーミュラEの認知はどんどん上がっていて、このレースでもメインスタンドは満席。この点でも、この選手権に参加している意義は十分にあります」

グローバー氏は、「フォーミュラEに参戦しつづけてきた理由は」という私の質問に対して、そう答えた。

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