宇宙ベンチャー「ispace」が月面着陸で目指すもの CEOが語る成功への自信とその先の勝ち残り策
――5月26日に開いたミッション1の分析結果の報告会見では、肝心のハードウェアにはまったく問題がなかったことを明かし、次回への自信を示したと株式市場では受け取られました。
ミッション1では非常に大きなことを成し遂げられた。月面着陸こそできなかったが、着陸体制に入って、着陸姿勢を垂直に制御して、ほぼ速度がゼロのところまでコントロールもできた。ハードウェア的には大きな問題がないことは検証できている。
失敗の原因は(月面からの高度を測定する)ソフトウェア側の課題だということは明確で、それを改善すれば着陸を成功させる可能性は高まってくる。100%とまでは申し上げられないが、非常に自信を持っている。成功への最後のあと一歩というところは簡単なものではないが、しっかり物事を進めていけば十分達成できる範囲にいると考えている。
未知だからこそ説明が重要
――自信はあるにしても、株式市場からの期待が高まった分、次回がうまくいかなかった時の反動は大きなものになります。結果分析をどこまで詳細かつポジティブに発表するかについて、迷いはなかったですか。
それはなかった。やはり事実をしっかりとお伝えすることが重要だと思っている。確かに、次回でうまくいかないリスクがゼロではないこともまた事実だ。ミッション1では着陸の寸前までいったが、これをもう1回やることもそれなりに大変で、(1回1回で環境条件が違うという)宇宙開発特有のリスクというものが存在する。
ただ、われわれはもうすでに1回挑戦しているので、どういったことをやればいいのかはよく理解しているつもりだ。2回目は、1回目のミッションとは成功確率の点では違う状況にあると思っている。
また、そもそも宇宙産業は、多くの人にとっては未知のもの。よくわからないことは、それだけでリスクが高いと思われてしまいがちだ。その点も踏まえ、われわれからは状況や事実をしっかりと説明し、なるべく情報開示をしていくということが、非常に重要だと考えている。
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