中国人が「日本の医療」を爆買い?関心高まる背景 巨大ECアリババが日中医療ツーリズムに参入

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医療ツーリズムの取り組みはアジアではシンガポールやタイ、韓国が先行している。趙氏は、「美容医療で外国人を受け入れてきた韓国に比べると日本の医療事業者は外国マーケットに対し慎重な姿勢を感じます」としつつ、「医療分野では慎重さは良いこと」と理解を示す。

及び腰になる医療事業者も

医療ツーリズムに関心がある医療事業者は少なくなく、自由診療のホワイトニングに特化した都内の歯科は「ホワイトニングなら言語の壁が比較的低いので、中国人の旅行者を受け入れたいと思っている」と話す。一方で、九州の開業医は、「外国人の検診をやらないかという話はあるが、日本人の来院者が嫌がるかもしれない」と及び腰だ。

中国で圧倒的な集客力を持つプラットフォーマーの参戦で、日本の医療ツーリズムが本格的に動き出すのか注目される。

浦上 早苗 経済ジャーナリスト

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うらがみ さなえ / Sanae Uragami

早稲田大学政治経済学部卒。西日本新聞社を経て、中国・大連に国費博士留学および少数民族向けの大学で講師。2016年夏以降東京で、執筆、翻訳、教育など。中国メディアとの関わりが多いので、複数媒体で経済ニュースを翻訳、執筆。法政大学MBA兼任講師(コミュニケーション・マネジメント)。新書に『新型コロナVS中国14億人』(小学館新書)。
Twitter: @sanadi37

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