広告収入重視の「X」は長続きしないかもしれない 専門家も驚く「信頼」で進化する中国SNSの凄み
尾原:ただフォロワーの数を追いかけて注目を喚起する「アテンションエコノミー」では、人の注意を集められるのであれば手段や質を問わない。それこそ今の日本でも社会問題になっているように「回転寿司チェーンで醤油差しを舐めてもいいよね」といった副作用が伴います。
「アテンションエコノミー」の世界は消耗していく
尾原:でも、「レッド」や「ソーヤング」では、インフルエンサーが自身の信用度を高めるために、フォロワーの意図(インテンション)するとおりの買い物が実現できるよう、有益な情報を発信し続ける。その結果、インフルエンサーとフォロワーの長期的で、かつ健全なエンゲージメントが確立される。これが中国で起こっている「インテンションエコノミー」です。
成嶋:Xが導入した広告収益分配プログラムが話題になっていますが、これも結局は「アテンションエコノミー」の一種で、その人にアテンションが集まれば、その脇道に広告を置いておけば儲かるよ、というビジネスモデルですよね。でも、「それをやり続けて消耗しませんか?」というのがそろそろ問われてもいい気がします。
尾原:おっしゃるとおりですね。中国のようにインフルエンサーが自分の好きなものを提案して、そのインフルエンサーから直接商品が買えて、買ったフォロワーも満足する。そのようにユーザーとユーザーが信頼でつながる世界のほうがよほど健全で持続的です。なんでもいいから注目を集めて見たくもない広告を見せられるアテンションエコノミーの世界はどんどん消耗していくのではないでしょうか。
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