やっぱり今は金融危機への「黄信号」が灯っている ハーバード大学の「バブル研究第一人者」が警告

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競馬である。ついに「温暖化の魔の手」が競馬界にまで襲いかかってきた。昨年の「菊花賞」を制したアスクビクターモア(牡4歳馬)が8月8日、放牧先で熱中症による多臓器不全のため、急死したのである。

これだけの馬だから、ケアが手薄だったことはありえない。しかも、JRA(日本中央競馬会)の馬たちがレースの数週間前から調教を行うトレーニングセンター(「トレセン」。茨城県の美浦と滋賀県の栗東にある)に比べれば冷涼なはずの放牧先でのことだ。今後、トレセンで同じような事故が相次いでも、まったく不思議はない。

カネのある馬主たちや余裕のある調教師たちは、もともと夏シーズンには大切な馬たちを北海道に移動させる。JRAの函館、札幌開催があるし、放牧先の牧場も豊富だし、本州よりは高地でなくとも涼しい。馬はもともと暑さに弱い。

オバタの「競馬による短・中・長期北海道発展政策」

そこで、今こそJRAは私の長年の提案を聞くべきである。今回はあらためて、私の日本の競馬産業発展のための、短期、中期、長期の競馬による北海道発展政策を記したい。

しかも、偶然のタイミングであるが、同様の趣旨の提言・プロジェクトがいま動き出している。もちろん、競馬界の人々は私などよりも見識が深いから、私の提案などは当然のこととして、誰もが望んでいることであるから、なんら不思議なことではない。ただ、一般の方々には認識がないだろうから、ここに改めて簡単に整理しておきたい。

「JRA北海道夏競馬改革」(その1:短期)

北海道開催を増やす。時期を拡大し、日本ダービーの翌週から函館開催を前倒しで開催、9月末まで札幌競馬を行う。日数を大幅に増やす。

そして、現在G2の札幌記念をG1に格上げし、7月初旬のラジオ日経賞をサマーダービーと改称し、8月の札幌に移し、札幌記念と同時開催とする。その週を「ホッカイドウ競馬ウィーク」とし、道南にあるホッカイドウ競馬の門別競馬場でも、ブリーダーズゴールドカップの開催以外にもほかの重賞をもってくる。これらをJRA、NAR(地方競馬全国協会)での一体開催とし、国際的な出走馬、競馬関係者の祭典とする。

これは、岡田牧雄・札幌馬主協会会長ら、札幌馬主協会と函館馬主協会とが連名で日本中央競馬会に対して提出した「北海道シリーズの発展に関する要望書」と趣旨はほぼ一致している。

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