新NISA「2つの投資枠」の超賢い使い方を教えよう インデックスファンド「報酬値下げ合戦」は朗報

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新NISAの開始を前に、インデックスファンドの競争が激化している。これは投資家にとってはよい話。では「つみたて投資枠」と「成長投資枠」をどう使えばいいのか(写真:Getty Images)

今回は、金額的に小さいような大きいような話だが、投資家にとっては重要な話題をお伝えする。

投資家の間で、通称「オルカン」と呼ばれているファンド(投資信託)がある。正式名称は「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」といい、三菱UFJ国際投信の商品だ。

人気ファンド「オルカン」の信託報酬引き下げの衝撃

この連載は競馬をこよなく愛するエコノミスト3人による持ち回り連載です(最終ページには競馬の予想が載っています)。記事の一覧はこちら

同ファンドは、日本株を含む全世界株式の株価指数「MSCIオール・カントリー・ワールド・インデックス」に連動する運用を行うインデックス・ファンドである。

同社の「eMAXIS Slimシリーズ」のインデックス・ファンドの中で2番目の規模である、1兆3729億円(8月17日現在。数字は「QUICK資産運用研究所」による)の運用資産残高を誇る人気ファンドだ。

このファンドの信託報酬(運用管理費用とも呼ばれる)が、ざっと半分に引き下げられることが、8月18日に発表された。9月8日から実施される。巨大ファンドの信託報酬率が一気に半分に引き下げられるのだから、それなりに「大きなニュース」だ。

同ファンドの信託報酬率は現在、年率0.11330%(税込み)以内だが、これを0.05755%(同)以下に引き下げることを発表した。同ファンドは、資産残高が一定以上に増えると増分に適用される信託報酬率を小幅ながら引き下げる仕組みを持っているので、8月17日の残高で計算すると信託報酬は0.05765%になるという。

運用資産100万円当たりで、投資家にとって年間いくらのコストに相当するかというと、約1133円が577円(端数は四捨五入)に引き下げられたということだ。投資家にとっては、(資産額100万円当たり)年間556円のプレゼントだ。「ありがたい!」には違いないが、話は小さい。

次ページなぜ信託報酬引き下げ競争が起きたのか?
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