新NISA「2つの投資枠」の超賢い使い方を教えよう インデックスファンド「報酬値下げ合戦」は朗報

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信託報酬について引き下げ競争が起こったのは、つみたてNISAが導入されてその適格商品とされたインデックス・ファンドが相互比較されるようになってからだが、日本の投資信託業界としては、実は画期的なことだった。

過去を振り返ると、信託報酬はむしろ時に「引き上げ競争」が起こる対象だった。信託報酬の内訳は、販売会社に支払われる「代行手数料」と資産を保管・管理する信託銀行への報酬があり、残りが運用会社の取り分なのだが、代行手数料のより高いファンドを設定して、販売会社にアピールするようなことが再々行われてきた。

これは、投資信託の実質的な購買決定者が投資家ではなく、投資家に投信を売る金融機関のセールスマンであったことに起因する、いびつで特殊な現象だった。

インデックス・ファンドの場合、投資家自身が購入する商品を選ぶので、「値下げ=競争のため」という常識的な力学が働くようになった。

信託報酬引き下げ競争の行方は?

それでは、インデックス・ファンドの信託報酬はどこまで下がるか。全世界株(含む日本株)のインデックス・ファンドですでに5ベイシス台(1ベイシスは1%の百分の一。この場合、百万円に対して年間500円)まで下がっている。

よって、これ以上下がっても多くの投資家にとって動くに値しない「微差」であろうが、アメリカの例を見るともう2〜3ベーシス下がる余地はあるのかもしれない。運用資産がもう2桁増えることは十分考えられるので、規模の効果で値下げを吸収可能だろう。

その場合、インデックスを発表・販売しているベンダーに支払う手数料が引き下げのポイントの1つになりそうだ。運用会社としては、MSCI、S&P、日経といったインデックス・ベンダーとの交渉が重要になるし、インデックスの変更や自家製インデックスの投入など、いくつかの選択肢がある。

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