「しんちゃん3Dアニメ」製作に7年かかった舞台裏 ほっぺのもちもち等、しんちゃんらしさを表現

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吉田:そこは毎回丁寧にやっていましたし、事前にこういうワークフローでいきますというのは説明させていただきました。ただ大根さん自身、実写の方で。アニメーションは違う畑なので、白組のディレクターの皆さんにも、同じ監督をするという意識でやってほしいということはおっしゃっていました。

そこはアニメの現場に対してリスペクトを持って接していただいたなと思います。もちろん作品にとって絶対に必要なことは、ハッキリおっしゃっていただきましたし、そうした形で共同作業を進めたという形ですね。

しんちゃんのルールは守る

――今回の映画をつくるにあたり、「クレヨンしんちゃん」らしさ、ここだけは絶対に譲れない、といったポイントはありますか?

畑中:白組としてはやっぱりキャラクターですね。しんちゃんとして、皆さんに受け入れていただくということが一番大切にしていた点でした。それは造形だけじゃなく、動いても、ちゃんとしんちゃんである、というところまでが、大切なポイントでしたね。

しんちゃん
かすかべ防衛隊の仲間たちも3DCGに。しんちゃんの笑顔は前から撮らないというルールはここでも守られている。(C) 臼井儀人/しん次元クレヨンしんちゃん製作委員会

吉田:やはり2Dと3Dは別の表現方法なので、アニメーションの付け方を変えることもできたんですが、できる限り近い印象になるようにアプローチしていただいたということと、アニメ的なことで言うと、2Dのしんちゃんにはルールがあって。笑顔を前から撮らないというのがあるんですけど、「あは~ん」という顔をするときは必ずしんのすけは向こうを向いているんですよ。

そういったしんちゃんのルールは守っていただきました。だから技術的にはそういうところでらしさを担保するというのと、お話的にはこのキャラクターはこんなことを言わないでしょうというところや、こういう行動はとらないでしょというところは監督と一緒に考えながら進めていきました。

壬生 智裕 映画ライター

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みぶ ともひろ / Tomohiro Mibu

福岡県生まれ、東京育ちの映画ライター。映像制作会社で映画、Vシネマ、CMなどの撮影現場に従事したのち、フリーランスの映画ライターに転向。近年は年間400本以上のイベント、インタビュー取材などに駆け回る毎日で、とくに国内映画祭、映画館などがライフワーク。ライターのほかに編集者としても活動しており、映画祭パンフレット、3D撮影現場のヒアリング本、フィルムアーカイブなどの書籍も手がける。

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